「歌舞伎町で売れてるホストは気づいてる」風俗スカウトからの一通のメールで始まった売春斡旋の闇 「スカウトバック」は根絶できるか【2024年重大ニュース】
女性が働く限り“永久的に”入る「スカウトバック」
スカウトの男と連絡を取るようになったホストの兄は、弟にも紹介する。弟は早速、スカウトに対し、売掛金がある女性客への風俗店紹介を依頼した。 スカウトは、女性に「希望の報酬金額、稼働する条件、下着姿の写真」などのプロフィールを作成させる。そして「風俗店を斡旋する仲介業者」を通し、複数の風俗店にプロフィールを送信。それぞれの店に「1日あたりの報酬金額」を提示させる“オークション形式”で良い条件の店に女性を斡旋していた。 このような流れで女性を風俗店に紹介すると、店側から紹介料として「スカウトバック」と呼ばれる報酬が支払われる仕組みとなっている。「スカウトバック」は、女性の報酬の15%で、風俗斡旋業者、スカウト、さらには依頼したホストにまで、「山分け」される。スカウトバックは、女性が売春する限り、永久的に入るようになっていた。
女性が売春できない期間は「まぶたの二重整形」まで強制
しだいに、弟は女性の稼働や私生活までもコントロールしていく。女性が売春していた店が閉店するため仕事が入らなくなると分かると、スカウトに「別に直近で稼げる店の紹介をお願いします」と依頼していた。 さらに、女性が体調的に売春ができない期間には「“まぶたの二重整形”をさせようと思う」とスカウトに相談していたことも判明。女性の体調や意志にはおかまいなしで、風俗で稼がせるために手段を選ばなかった。 こうしてホストの男の支配はエスカレートし、女性がホストに通うのをやめた後も残っていた売掛金の回収をしようと「ムショ行きになるよ」「親に言えないならそういうところで借りるしかないんじゃない?」などと、消費者金融の申し込みをさせたが、女性が警視庁に相談したことで一連の出稼ぎの実態が発覚した。
悪質ホスト根絶のため法改正へ 「スカウトバック」規制も
スカウトは「スカウトバック」、ホストは「売掛金の回収」に加えて「スカウトバック」と、互いに収益が得られることから、女性客を風俗に斡旋する行為はホスト業界で横行している。 しかし、女性客がホストの売り上げに貢献したいという思いから、支配されている状況に気がつかず潜在化してしまうケースが多いのが現状だ。 警察庁はこのような「悪質ホスト」や「風俗スカウト」への対策として、「スカウトバック」を支払った性風俗店についても取り締まる対策を検討。さらに、恋愛感情に付け込んで、客を依存させたり、正常な判断ができない状態で高額な飲食をさせる“色恋営業”を禁止するなどとする、風俗営業法の改正案を2025年の通常国会に提出する方針だ。 「悪質ホスト問題」の根底にある“スカウトバック”。法改正も、このビジネスモデルにどこまで迫れるか、実効性が問われている。 【社会部警視庁担当 北山茉由】
北山 茉由,フジテレビ,社会部
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