2019年W杯“前哨戦”で日本がルーマニアに勝利した意味とは?
一方、先発司令塔団は、苦しみの要因を試合運びやプレー選択に求める。まずスクラムハーフの田中は、前半の連続攻撃でフォワードを消耗させてしまったかもしれない、という旨でこう話した。 「(グラウンドの)中盤からそういう風にやっていって、僕自身も体力がなかったですし、フォワードも疲れていった」 かたや小倉は、最後の失点のきっかけが自らのキックオフ(得点が動いた後に試合を再開させる中央からのキック)だったと反省する。 「相手のフォワードのいるところへ蹴ってしまって、モールになって…(その後、ペースを握られた)。もっと奥の方に蹴っていたら(モールに参加するポジションの選手が少ないため)相手は蹴り返してきていた…(以後、自軍ボールを確保できる)。1つひとつのプレーで、流れが変わる。僕は、自分のあのキックオフが、流れを変えた原因だと思います」 いまの日本代表は筋持久力と同時に、スマートさや集中力を磨きたいという。この先は17、24日と、アイルランド代表との2連戦に臨む(静岡・エコパスタジアム、東京・味の素スタジアム)。 アイルランド代表は、予選プールAの最強豪国と目される。とはいえ今月は、欧州連合軍の日程と重なるため主力を多く欠く。 引き続き勝利が期待される日本代表にあって、リーチは「自分たちの弱みを見つけられる。これが、テストマッチの良さです」。よさと改善点をもっと具体的にあぶり出し、以後の強化計画に反映させたい。 (文責・向風見也/ラグビーライター)