勢和中に日本野鳥の会から感謝状 コシアカツバメと共存、見守りで 三重・多気
毎年、校舎に飛来し、子育てしているコシアカツバメを見守り続けているとして、三重県多気郡多気町片野の町立勢和中学校(吉田武弘校長、118人)は20日、公益社団法人日本野鳥の会(上田恵介会長)から感謝状を受けた。
巣、校舎に45個、体育館に23個 益鳥、商売繁盛のシンボル
同会では、古くから「ツバメが巣を作ると縁起が良い」と言われ、商売繁盛のシンボルや害虫を食べる益鳥としてツバメと人との共存が続くことを願い、2019(令和元)年からツバメの巣や生息環境を温かく見守っている団体に、感謝状を贈呈している。今年は県内で2件に贈られた。 コシアカツバメは腰部の赤い羽毛が特徴で、普通のツバメより体が大きく、尾羽も長い。とっくり型の巣を作り、入り口が長く中が広いスペースとなっている。 同校では、今年赴任した理科の教員でもある齋藤隆宏教頭が校舎に多数のとっくり形の巣があることに驚き、調べたところコシアカツバメと分かった。巣は校舎に45個、体育館に23個もあった。 職員玄関入り口にあった一つには、段ボールで作ったふんよけも設置。普通のツバメの巣も一つあり、学校のホームページで紹介するなどして、全校で見守っている。 春の大型連休明けごろからコシアカツバメが飛来。巣の形状から中の様子は分からないが、17日には卵の殻が落ちているところが確認され、また親鳥が巣に頻繁に出入りしていることから、子育て中だとみられるという。 この日は、同会三重の近藤義孝代表(70)=桑名市=たち4人が来校。近藤代表から吉田校長に感謝状とステッカーが手渡された。 吉田校長は「もう1回自分たちの素晴らしい環境を再発見できた。生徒たちは感謝状を頂ける環境で自分たちが育っていると認識してほしいですね」と話していた。 齋藤教頭は「(感謝状を)頂いた以上、今後も見守っていきたい。子供たちにも発信していきたい。今は巣があるのが当たり前の生活で意識していないが、観察できる環境にいる。自然に教えてもらえることがたくさんある」と話していた。