中国で米国人4人刺され負傷 容疑者を逮捕 地元報道は沈黙
中国東北部・吉林省吉林市で10日、米中西部アイオワ州にあるコーネル・カレッジの米国人教員4人が何者かに刃物で刺され、負傷した。地元警察は同市在住の55歳の男を逮捕したことを明らかにした。香港紙・星島日報が11日、報じた。 【写真で見る】天安門事件35年 北京・香港で厳戒態勢 同紙によると、事件は10日午前11時40分ごろ、吉林市内の北山公園で発生。米国人4人を含む5人が刺され、病院に搬送されたという。米CNNなどによると、コーネル・カレッジは同省にある北華大学と提携し、教員を派遣している。被害に遭ったのはその教員らだという。X(ツイッター)などには、公園内で血を流して横たわる米国人教員らとみられる映像が多数投稿されている。 一方、中国の主要メディアはこの事件について一切報じていない。国内のSNS(ネット交流サービス)では、投稿された写真などが次々と削除されている模様だ。中国共産党機関紙・人民日報系の「環球時報」元編集長、胡錫進氏も11日、欧米メディアの報道を引用してこの事件に関する文章を投稿したが、すぐに削除した。 中国外務省の林剣副報道局長は11日、「警察は今回の事件について偶発的な事件と判断して、捜査を進めている」と述べたうえで、「(今回の事件が)中米間の人的、文化的交流の発展に影響を与えることはない」と強調した。【北京・岡崎英遠】