〈私立〉でも授業料が公立並みに?…「年間39万円以上」の支給も。知らないと損する就学支援金制度【元国税専門官が解説】
出産、育児、教育、仕事、住居、病気、老後──。人生にはライフステージごとにさまざまな出費がついてまわります。特に、子どもの学費は高校に進学するタイミングで急激に増える傾向があります。本記事では、元国税専門官である小林義崇氏の著書『僕らを守るお金の教室』(サンマーク出版)より、子どもの教育費負担を軽減するために利用できる、意外と知られていない支援制度について書かれた箇所を一部抜粋・編集してお届けします。 【早見表】国民年金・厚生年金「年金受取額」分布…2022年3年度末現在 2023.01.10
高校から一気に増える……子どもの学費
子どもの学費は、高校から一気に増えます。高校に入ると公立校でも年間12万円ほどの授業料がかかります。後ほど説明する高校無償化を受ける場合も、いったんは授業料などを払った後に補填される流れなので、入学時は支出の多さに驚く人も多いと思います。 かくいう私もその一人。長男の私立高校入学が決まったとたん、「来週までに制服代で10万円」「入学金やタブレット代で30万円」といった感じで、急に大きな金額が必要に……。 遠くの学校に通うなら定期代も高くなります。その他、修学旅行のための積立金や大学受験時の受験料など、何かとお金が必要です。そして、私立高校は公立高校よりもさらに大きなお金が必要に……。 そうした状況で使えるのが、2020年4月にスタートした「高等学校等就学支援金」です。高等学校等就学支援金は、国の制度で、公立高校の場合は年間11万8,800円、私立高校(全日制)の場合は世帯年収によって年間11万8,800円もしくは39万6,000円が授業料支援として支給されます。 公立高校の場合、そもそもの授業料が低く設定されているので、就学支援金を受けることで授業料はかなり抑えられます。私立高校でも、39万6,000円の就学支援金をもらえれば、公立校との授業料の差はぐっと縮まります。 ただし、この制度を利用するには年収条件を満たす必要があり、モデルケースとして示されている共働き世帯の場合、世帯年収約1,030万円未満が基準となっています。また、年収約660万円以内の世帯なら私立高校の支援金を39万6,000円受けられますが、660万円超1,030万円未満の場合(子どもが一人)11万8,800円に減額されます。なお、条件で挙げた世帯年収は、世帯構成や収入がある人の数などにより変動します。 先ほどモデルケースで示した年収1,030万円がボーダーラインになるのは、「共働きの両親と16歳以上の高校生の3人家族」の年収基準。片働きや、子どもの数が違うときは年収のボーダーラインが変わります。
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