“男性”の「自殺率」は女性の2倍 原因は「生物学的な傾向」か、「社会的な要因」か?
予防を実践するために
『男はなぜ孤独死するのか』では「用事がなくても友人に電話をかける」「スポーツクラブに加入する」「自然と関わる趣味を始める」など、孤独を避け、自殺の可能性を減らす実践的な方法も紹介されている。 ただし、「自殺対策に『魔法の解決策』はない」と末木教授は指摘する。 「また、たとえば『同窓会を定期的に開催すれば自殺リスクが減る』と本に書かれていても、それを読んですぐに実践する人はほとんどいないでしょう。 それでも、自殺リスクを低減するためには、できることからやり始める必要があります。また、ある人が孤独を減らす習慣を実践しているのを見て、別の人もその習慣を実践していくことが続けば、文化も変わっていくかもしれません。 WHOが自殺報道のガイドラインを作ったのは2000年です。当初、メディアはガイドラインを十分に守っていませんでしたが、コロナ禍を経て、現在ではかなり守られるようになっています。時間はかかりますが文化や習慣を変えることは可能です。 また、自殺の背景には、労働環境の問題などが存在することも確かです。自殺予防に取り組むためには、現状の社会や生活のあり方を前提とせず、別のあり方を想像してみることも大切です」 ※悩みや不安を抱えて困っている時には、下記の窓口に相談してください。 「いのち支える自殺対策推進センター|いのち支える相談窓口一覧」https://jscp.or.jp/soudan/ 「こころのオンライン避難所」https://jscp.or.jp/lp/selfcare/ 「特定非営利活動法人 自殺対策支援センター ライフリンク」https://lifelink.or.jp/
弁護士JP編集部