KEIRINグランプリ“最後の椅子”奪うのは誰だ!? まもなくG1競輪祭、記者が考える優勝候補
師匠と同じタイトルを獲ってグランプリへ!
現在、賞金ランキング21位の犬伏湧也がグランプリに出るには競輪祭を獲るしかない。あとがなくなったこの状況だが、今年は地元記念を獲ったりと勝負強さがあり本人も諦めてはいない。 直前の京王閣記念でも新山響平、古性優作、南修二、新田祐大、小林泰正、木暮安由、眞杉匠と強豪揃いのメンバーだったが、単騎で大外を捲り追込み優勝し、改めて犬伏の強さを見せつけた。
最近の犬伏の走りはラインを大事にし、皆を連れ込めるように仕掛ける事が多い。もちろん相手もいる事なので常にできることではないが、先行を主戦法として戦っている。 師匠の小倉竜二からは『バック数20本を切ったら破門』と冗談交じりに言われているようだが、この数字を上のクラスで維持するのには相当な実力が無いと出来ない“離れ業”だ。誰が相手でも出切れるスピードと捲らせない持久力。元々、スプリンターの犬伏が先行し、逃げ残っているのは日々の練習を積み重ねて得た努力の賜物だろう。 小松島記念と直前の京王閣記念は共に捲り追込みでVを飾った。小松島記念では、師匠の小倉から「今回だけは地元だし、獲る走りでいい。狙え!」と話があったそうだ。 京王閣記念では単騎だった。ラインのない状況だったために自分だけ届く競走でよかった。デビューしたての頃の犬伏は捲りが多い選手だった。元々、それが得意な走りなのだ。 短い距離で一気にトップスピードまで上げて前団を飲み込む事ができる犬伏らしい走り。でも、上のクラスで戦うにはリスクが大きい。捲りは前の選手の牽制もあれば、事故に巻き込まれる可能性もある。勝ち上がりの段階で仲間となるラインのマーク陣がいなくなる事も多い。それを踏まえて師匠の小倉からこんこんと教えられ、成長し今に至る。 デビューして3年、ウェイトトレーニングを続け身体も一回り二回り大きくなりパワーアップした。日々のインターバルトレーニングで筋持久力もアップした。それによって戦法の幅が広がり、対戦相手はやりにくくなった。もう獲るしかない状況。勝ち上がりの段階ではできるだけ多くの仲間を連れ込み、決勝では獲る事に賭ける。下準備はできた。師匠と同じタイトル・競輪祭を獲ってグランプリに乗り込む! ーー選手たちを現場で追ってきた競輪記者たちが考える『最後の椅子』、いかがだっただろうか。何が起こるかわからないクライマックスの戦いが、ますます楽しみになったのでは!? 19日から始まる「競輪祭」、泣いても笑ってもこれで運命が決まる。熱い思いを乗せて走る選手たちの激闘から目が離せない!