グラビア、重版、漫画家の素顔公開…『少年ジャンプ』史に残る「異例すぎた出来事」
1968年に創刊(当時は隔週発売)以来、老若男女に愛されてきた『週刊少年ジャンプ』(集英社)。『ドラゴンボール』や『ONE PIECE』など多くの歴史に残る漫画を生み出してきた同誌の長い歴史の中には、たびたび他の漫画では類を見ないような異例の記録が残る。 ■【画像】すさまじい人気だった安達祐実さん…実写『ガラスの仮面』でも脅威の再現度■ 例えば『ジャンプ』では、創刊からこれまで、たった一度だけ重版がかかったことがある。それは2016年42号の、秋本治さんの漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』が最終回を迎えた回だ。最終回というだけでなく、『こち亀』の連載40周年という記念すべきこの号は、瞬く間に全国各地で売り切れになり、創刊以来初の重版に至った。 今回は『週刊少年ジャンプ』の歴史に残る異例の出来事の数々を振り返りたい。 まず、『こち亀』最終回が掲載された同号では、他にも『こち亀』に関連する偉業が多くある。この号と『こち亀』の最終巻となる単行本200巻は同時発売され、同じ日に最終話が載ったジャンプ本誌と単行本最終巻が発売されるという事態に至ったのだ。しかも本誌と単行本は途中までは同じだが、ラスト4ページのオチが違うというのだから、どちらも見逃す手はなかったはずだ。 42号の表紙はもちろん両津勘吉。そして『ONE PIECE』の尾田栄一郎さん、『ハイキュー!!』の古舘春一さん、『僕のヒーローアカデミア』の堀越耕平さんの3名もそれぞれのタッチで両さんを描いており、4人の個性豊かな両さんが紙面を飾ることとなった。 さらに、表紙を開くと『ジャンプ』作家の描いた16人の両さんが。中央に描かれたくす玉からは「40年間休み無し!! 両さん偉業達成おめでとう&ありがとう!!」という文字が描かれ、さらに次のページには秋本氏がこれまで描いてきた歴代の両さん200体が集合したポスターが付属していた。 これだけではない。『こち亀』の記念すべき第1話「始末書の両さんの巻」がオールカラーで掲載。また40周年に合わせて、この号に掲載された全ての漫画に両津勘吉のマユゲが必ず1個隠され、広告ページも含めて40個のマユゲが隠されるという遊び心も。まさに両さんずくめの号となった。 なお、他の漫画の中に両さんが描かれるという企画は『こち亀』30周年の2006年42号でも行われており、一部の漫画に両さん関連のネタが登場したり、「両さんを探せ!!」として、同じくこの号の『ジャンプ』に掲載された全ての漫画に両さんが何らかの形で登場していた。 「たくさんの両さんが表紙を飾る」という企画に似た例としては、2017年52号の表紙があげられる。これは、『ONE PIECE』の連載20周年を記念して行われたもので、101体のルフィが集結したイラストが表紙を飾った。 尾田さんの描くルフィ以外の100人のルフィは、「みんなのルフィ」という企画で募集したファンからのイラストの中から選ばれたもの。自分のイラストが『ジャンプ』の表紙を飾れるとは、かなりのレア企画である。