THE YELLOW MONKEY、1.5万字超えのインタビューを掲載。“復活ののろし”となるアルバム『Sparkle X』を語る【後編】
5月29日にリリースしたTHE YELLOW MONKEY10枚目のオリジナルアルバム『Sparkle X』。同作のLISTENING PARTYが、5月10日東京都内にて開催された。同日行われたメディアの合同取材に登壇した吉井和哉(Vo)、菊地英昭(G)、廣瀬洋一(B)、菊地英二(Dr)の4人。ラジオDJの落合健太郎を聞き手に行われたインタビューを1.5万字超えで掲載する。後編はメディアによるQ&Aと各メンバーのアルバム『Sparkle X』への思いを届ける。 【全ての写真】10枚目のオリジナルアルバム『Sparkle X』合同取材 ――新しいアルバムが一つ完成したことによって、一つ前の作品の意味合いがより深く見えてくる部分があると思います。今現在、『9999』という作品を改めて振り返って、あの作品は今のTHE YELLOW MONKEYとしてはどういった意味合いを持っているとお考えですか。 吉井 『9999』の最後の曲なんだっけ? EMMA(菊地英昭) 思い出せ。誰か。 HEESEY(廣瀬) 「Horizon」? 吉井 「I don’t know」じゃない? HEESEY 「I don’t know」です(笑)。 吉井 アルバムの中で、最後の一言がそのアルバムのテーマだっていう風に思っていたんですけど……「I don’t know」じゃないですか。わからない(笑)。 ANNIE(菊地英二) 『9999』はアルバムを出すまでに何年か活動してきて、デジタルシングルも出していたり、半分くらい既存曲があって作ったアルバムなので、コンセプチュアルではありますが、あらかじめコンセプトがあったわけではないので、再始動からのいろんな活動を網羅していたと思うんです。でも、今作は明確に吉井のこともあって、それを乗り越えたTHE YELLOW MONKEYがアルバム作るということで作り出しているので、目的が明確に違うと思うんですよね。『9999』は再集結して「僕らはもう1回やってきます」という作品だったけど、今回は本当、次へのステップアップ。「僕たちももう1回はじめます」という意思表示みたいな感じがしています。 HEESEY そうだね。 ――デビュー後、いろんなストーリーがあるバンドですが、ずっと続けている中でファンの人たちについて、今、どういった存在になっていますか。ドーム公演を拝見して、デビューのときとはちょっと違う存在になっているのではないかと思い、伺います。 HEESEY 僕ら、「ついに噂のバンドがデビュー」みたいな鳴り物入りのデビューでもなかったし。ずっとやってきたインディーズ時代の根強いファンたちのおかげで、デビューできたみたいな感覚があって。デビュー後、おかげさまで注目が集まるようになりまして、メディアやいろいろなきっかけを通して知ってくれて、どんどんファンの方々が増えて、すごくいい形でステップアップしてきました。ライブの動員だけはウナギ登りでこれたバンドですが、90年代のファンも今でも愛してくれていますし、再集結してからのファンの方々もいらっしゃる中で一つ思うのは、みんなが平等に、熱心に、愛してくれているなということです。今回、ドームに集まってくれたというのも本当に心強かったですし、「バラ色の日々」がはじまったときに、みんなが歌ってるのを聴いて、本当に僕らだけでなく、5万人のファンを含めての東京ドーム公演になって。ファンの存在をすごく強く感じています。これからもずっと一緒に歩んでいけたらなと思います。 ――若い世代の人たちに、改めてTHE YELLOW MONKEYのロックとは何か、みなさんの言葉で伺えますか。 吉井 そこは、数年前まで深刻なバンドのテーマでもありました。やっぱり 30代、40代、50代と歳を重ねると、ファンもライフステージが変わって、生活もあるし、ライブに行きづらい、聴きづらいというようなこともあると思います。そういうとき、若い人たちに向けて全力でやるというのも、それはちょっと違うなと思いました。今回のアルバムは、自分たちが目をつぶっていてもできるような楽曲を、「本当にこれが大好き」という感じでやることが一番大切だと思って作った作品で。ご両親が音楽が好きで、こういうロックを車の中で聴いていて、ルーツを知っている子たちが、「かっこいいね」と来てくれるとうれしいし、もちろん感性で来てくれる子たちもうれしいと思いますが、世の中にどういった嗜好の若い方たちがいるかというのも正直不透明ですから、そこは意識せず、お届けしているというのはあります。 ――新しい世代というところの話題とつながりますが、今、サブスク(音楽ストリーミングサービス)の時代に、アルバム作品というものの考え方も変わってきたと思います。プレイリストや好きな曲だけを選ぶという聴き方が普通になってきてる中で、アルバムという作品11曲に対するこだわりの部分を伺えますか。 吉井 アルバムというガチガチの考え方は、僕らもやっぱり薄れてきていて。昔は1回マスタリングしてもらって、さらに曲間を2秒ズラすとかやっていたんですよ。そういうのは無駄かなと思うし、昔、我々の憧れだった海外レコーディングも、昔と違う価値観の中にあって、やっぱり時代は変わっていて、そこは順応していっているつもりです。幸いレコードを聴く若い人たちもいらっしゃるけど、アルバム単位の45分60分っていうのは、普遍的に集中力が続く時間だなとも思っているので、そのくらいシンプルに作った11曲です。サブスク感はあまり考えていないし、考えてもいるし、みたいな。ちょっと曖昧です。 HEESEY 今回、1曲1曲に、その曲自体の魅力ももちろんあって。1曲聴いて、そこから、もっと突っ込んでアルバムを聴いてみたくなる魅力みたいなものも明らかにあると思います。 吉井 ですね。コロナ前とかは、イントロを長くしてると飛ばされちゃうよって言われて、気にしたりもしたんですけど。今は、もう気にしなくなりました。「イントロは長くなきゃダメだ!」みたいな(笑)。 HEESEY とはいえ、曲作りもそうだし、レコーディング時にも試行錯誤しているところは結構あって。いろんな見方をしているつもりではあります。
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