ウーバー株が最高値、テスラのロボタクシー発表は詳細がないと不評
(ブルームバーグ): ライドシェア大手のウーバー・テクノロジーズとリフトの株価が大幅高。電気自動車メーカー、テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が10日にロボタクシー「サイバーキャブ」に関するプレゼンテーションを行ったが、技術的な詳細が欠けていたため、ライドシェア銘柄が買いを集めた。
ウーバー株は一時8.8%上昇して最高値を更新。リフトは約10%上昇する場面があった。一方、テスラ株は一時10%余り下落した。
マスク氏は2人乗りのサイバーキャブと20人を輸送できる「ロボバン」のコンセプトを披露したが、より具体的な内容を期待していたテスラの投資家を失望させた。同氏はロボタクシーが早ければ2026年に生産が開始される公算で、価格は3万ドル(約450万円)以下になる可能性があると述べたが、自身が楽観的になりがちなことを認めた。
ジェフリーズの株式アナリスト、ジョン・コラントゥオーニ氏は「今回のイベントはウーバーにとって最良の結果だと考えている」と述べた。同氏のウーバーに対する投資判断は「買い」。テスラのサイバーキャブを「歯がない」と評したリポートの中で、同社が自動運転機能の進歩について検証可能な証拠を提示しなかったことや、ロボタクシーの具体的な製造台数見通しを示さなかったことを指摘した。
ジョーンズトレーディングのチーフ・マーケット・ストラテジスト、マイク・オルーク氏によれば、10日はテスラ株の「勝負の夜」とみられていた。イベントはすでに2カ月延期されており、テスラはその高いバリュエーションを正当化し、自律走行車技術で業界をリードできることを証明するプレッシャーにさらされていた。
ウーバーのダラ・コスロシャヒCEOはブルームバーグ・グリーンのポッドキャスト番組「ゼロ」の次回エピソード向けのインタビューで、ロボットタクシーは何年もの間、同社の重要な部分を占めるようにはならないと述べ、自律走行の将来について冷静な見方を示した。技術はまだ十分ではなく、規制当局も警戒していると指摘。「安全が第一だ」とし、それを踏まえた後で「3年から7年以内に経済的側面に焦点を絞り始める」と述べた。