JFEスチールが「原料コンベヤー自動監視」新システム開発。AIが画像解析、設備異常検出
JFEスチールは25日、製鉄所の原料搬送用ベルトコンベヤーを人工知能(AI)で自動監視する新システムを開発したと発表した。 カメラから集めた画像データなどをAIが解析し、ベルトの傷など設備異常を自動的に検出する。復旧に時間がかかりやすいコンベヤーの故障を未然に防ぎ、安定操業や生産性向上につなげる。 全3地区の高炉一貫製鉄所に導入する。すでに2022年に東日本製鉄所千葉地区(千葉市)で、23年に西日本製鉄所倉敷地区(岡山県倉敷市)で実機化した。残りの同製鉄所福山地区(広島県福山市)には24年以降に展開する。 新システムは、コンベヤーに設置したカメラやセンサーから集めた画像や距離のデータをAIが分析し、故障原因となるベルトの傷や片寄りなどを自動的に検出。オペレーターは、遠隔地のモニター画面で故障の予兆を早期に把握できる。定期的な目視点検が必要だった従来と比べ、大幅な省力化が可能となる。 新システムは同社のスチール研究所が主体となって開発。現場への導入は工事子会社のJFEプラントエンジ(社長・澤田宏氏)が担当した。 コンベヤーは一度破損すると復旧に時間がかかり生産影響も大きい。最新デジタル技術を駆使することで故障の予兆をいち早く捉え、鋼材の安定供給につなげる。