松本まりかが15年にも渡り不倫をしていた夫に裁きを与えるサレ妻に「常識とか固定概念にとらわれないで、そのときに生まれる感情を表現できたら」<夫の家庭を壊すまで>
純愛だと信じていた夫に不倫をされた妻が復讐を決意し、不倫相手の家族を追い込んでいく姿を描く、ドラマプレミア23「夫の家庭を壊すまで」(毎週月曜夜11:06-11:55ほか、テレ東系ほか)が7月8日から放送スタート。 【写真】クールな表情がカッコイイ松本まりか WEBザテレビジョンでは、本作で主演を務め、夫に15年も裏切られていたサレ妻・如月みのりを演じる松本まりかにインタビューを実施。ドラマの見どころや共演者の印象などを聞いた。 ■もう使えるものは全部使って演じられたらと思っています ――最初に台本を読んだときの感想を教えてください。 まずタイトルがすごいなって思ったんですけど、脚本がすごく面白いんですよね。みのりは0から100に振り切ってしまうくらい悪になってしまいますが、そこへの過程がきちんと描かれているので、説得力があって読んでいても止まることなくスラスラ読めてしまうんです。 でも、ずっとヘビーな心を持ったままいかないといけないので、耐えられるかなっていう不安がすごくありますね(笑)。やっぱり楽しい感情のままで生きていきたいじゃないですか。前クールでやっていた「ミス・ターゲット」(テレビ朝日系)からの気持ちの切り替えは大変そうです(笑)。 でもそれってみのりと同じなんですよね。せっかく幸せになれたのに、急に地獄に落とされるっていう。だからこの状況をそのまま使える!と思って。“ずっと勇大と恋愛していたかった”っていう気持ちと、“それとさよならしなきゃいけないんだ”っていう気持ちと、もう使えるものは全部使って演じられたらと思っています。 ――みのりの気持ちには共感できましたか? そうですね。みのりの気持ちはわかります。みのりはすごく純粋な女性なんですよね。純粋さが反転して悪の部分が出てしまっているだけで、環境や状況によってそういう風になってしまったというのは共感できるなと思います。もし悪人たちばかりが出てくるような作品で、主人公も悪人だったら、結構心を持っていかれちゃうと思うので、そこは私自身救われましたね。 みのりは人を傷つけたりするけど、そこにちゃんと良心の呵責みたいなものがあるんです。悪の感情になるために私が一番持っていなくちゃいけない、持っていたいものが“純粋さ”っていうところだったので、そこはすごく希望を持って演じられるなと思いました。 ■5才のピュアさのまま大人になったみたいな感じ ――悪女になりきるために意識していることや、役作りしていることなどはありますか? すごく純粋なみのりが不倫という出来事で一気に黒い感情になりますが、面白いのはそこに至るまでの機微だと思うんですよね。だから、急にバッて変わるのではなく、そこの機微をきちんと丁寧に演じることが大事だなと思っています。 もしかしたら、不倫されているのにふと笑顔になってしまう瞬間があるのかもしれないし、思いもよらない表現が出てくるかもしれない。でもそれを「いやいや、不倫されているのに笑ってるなんておかしいでしょ」っていう常識とか固定概念にとらわれないで、そのときに生まれる感情を表現できたらなって思います。 それができたら、漫画や脚本に描かれている人物が“人間になる”っていうことなのかな、と思いますし、そういう面白さを加味できたら、立体的な面白さをドラマで楽しんでいただけるんじゃないかと思います。 ――みのりの夫・勇大役で竹財輝之助さん、勇大の不倫相手・理子役で野波麻帆さん、理子の息子・渉役で野村康太さんが出演されますが、共演者の皆さんの印象を教えてください。 竹財さんは何度か共演させていただいたことがあるのですが、今回初めてがっつり共演させていただきます。みのりにとっては“勇大しかいない”っていう人生だったので、私はいかに勇大のことを盲目的に愛せるか、ということが重要なのかなと。たくさん好きになりたいなと思います(笑)。 憎むのはその後だと思うので、まずはすてきなところをたくさん知っていけたらいいなと。それで裏切られたって知ったら、あとは簡単な気がするので、そこからはもう身を任せるだけかなって思いますね。 康太くんは本当に染まってなくて、“こんなにピュアな人いるんだ”ってちょっと恐ろしくなりました(笑)。汚したくないというか…。5才のピュアさのまま大人になったみたいな感じがして、クランクインしてからまだ2日しか経ってないですけど、本当に純粋な人だなって思いました。 あと、理子役を野波さんにやっていただくのは私もすごくうれしくて。先日初めてお会いしたのですが、本当に明るくてきれいで凛としていて…。野波さんがどういう風に演じられるのか本当に未知数なので、これからすごく楽しみですね。 ■タイトルの先にとてもピュアで希望のある、きらめく世界が待っている ――みのりは不倫をしていた夫と不倫女に復讐をしていきますが、もし松本さんがみのりだったらどうしますか? 私もまずはみのりと同じように真実を知りたいと思うと思います。知らない方が傷つかないかもしれないけど、知らずにはいられないですよね、きっと。この15年間、自分が知らなかったパラレルワールドがあって、もしかして自分が生きていた世界がパラレルワールドだったのか、確かめずにはこの先、生きていけないと思うので、傷つくことになっても知りたいと思うし、復讐したいって思う感情はわかります。でも私は復讐じゃなくて、その二人を愛せるか…っていう挑戦をしたいなと思います。 絶対できなさそうじゃないですか、その二人を愛するなんて。だけど、復讐した先ってきっとつらいですよね。復讐したら一瞬スカッとするかもしれないけど、何か残り続けると思うんです。もし愛せたとしたら、もう最高じゃないですか。だから、自分が嫌だなって思う人に出会ったときに、憎むのではなく愛すっていうことをいつかできるようにしたいなって思います。 ――では最後にドラマの見どころを教えてください。 まず、エンタメとしてすごく面白いと思いますし、ドラマ版ならではのこの作品を楽しみにしていただけたらと思います。攻撃的なタイトルですが、そのタイトルの先にとてもピュアで希望のある、きらめく世界が待っているので、復讐劇からそこに至るまでのみのりの変化を楽しんでいただきたいですし、この作品を見終わった後に清らかな気持ちになれるような、生きるのが楽しくなるようなドラマにできたらなと思います。 ◆スタイリスト=コギソマナ/ヘア&メーク=あきやまひとみ/衣装協力=リミ フゥ、銀座かねまつ、エナソルーナ