途中離脱した人は「えっ?」 そんな展開になると思ってなかった「長寿マンガ」の近年
予想外すぎた現役引退
多くの人びとに愛されてきた長期連載マンガは、新しい試みや意外な展開で、読者を飽きさせない工夫をしています。近年では『ONE PIECE』で主人公「モンキー・D・ルフィ」が食べた悪魔の実「ゴムゴムの実」に別の名前があることが判明したり、「カイジ」シリーズの主人公「伊藤開司」が2017年からずっとギャンブルをせずに大金を持って逃げ回っていたりと、そのマンガから離れた読者が聞いても食いつきがいいような、意外な展開がありました。 【画像】え…っ? 「怖すぎ」「一応人間ですよね?」 こちらが『刃牙らへん』ジャック・ハンマーが「大口を開けた」姿です そのほかにも、久しぶりにその作品に戻りたくなるような、驚きの展開があったマンガを振り返ります。 ※この記事には『はじめの一歩』『刃牙』シリーズ『テラフォーマーズ』のネタバレを含みます。 ●主人公の引退『はじめの一歩』 ボクシングマンガ『はじめの一歩』は、連載開始から30年以上が経過した長期連載作品で、主人公「幕ノ内一歩」を始めとする魅力的なキャラたちの熱い試合が展開されてきました。 そんな同作で起きた驚愕展開といえば、主人公「幕之内一歩」の現役引退が真っ先に上がるのではないでしょうか。格下との試合に敗北後、パンチドランカーの兆候を感じた一歩は、母親のために自ら引退を決断し、現在はトレーナーとして献身的に選手を支えています。 しかし、初期からの最大のライバルである宮田一郎との試合が実現しておらず、一歩が現役時代よりも強くなっている描写もあるため、いずれ現役復帰すると予想されています。また、最新の連載では、一歩の恋人「間柴久美」の兄「間柴了」が世界タイトル戦に挑んでおり、その結果次第でふたりの仲が進展するかもしれません。 ●主役より主役なジャック・ハンマー「刃牙」シリーズ 1991年に始まった格闘マンガ「刃牙」シリーズは、シリーズを更新して現在も連載が続いています。現在連載中の第6部『刃牙らへん』では、主人公「範馬刃牙」の周辺の人物に焦点を当てており、刃牙の異母兄であるジャック・ハンマーがラスボスのようなポジションで存在感を見せました。 薬物や骨延長手術で肉体を改造しているジャックは、シリーズでも異色のキャラです。さらに現在は、身長を243cmまで伸ばし、「本部以蔵」との戦いで全ての歯を失ったため歯をチタン製にして、得意としていた噛みつきを技にまで昇華した「噛道」を操る、唯一無二のキャラとして新たな道を歩み始めています。 第1部の最大トーナメントで刃牙に敗れ、最強の父「範馬勇次郎」に切り捨てられたジャックは、父に認められたいという気持ちが根底にありました。そして、信念をもってドーピングや肉体改造を続け、圧倒的に強くなったことで、ついにジャックは勇次郎に認められたのです。 次に期待したいのは、勇次郎や刃牙などの作中最強キャラとジャックの戦いですが、まだ実現しておらず、その時が待ち望まれています。現状「鎬昂昇」と「ピクル」に勝利したジャックが次に誰と戦うのか、要注目です。 ●火星ゴキブリが異次元の進化『テラフォーマーズ』 人類と「火星ゴキブリ(テラフォーマー)」の戦いを描いたSFマンガ『テラフォーマーズ』は、アニメや映画などメディアミックス展開もあって広く知られている作品です。しかし、作者の貴家悠先生の体調不良で休載が続いていました。 同作は、2024年4月から5年ぶりに連載を再開しており、「火星ゴキブリ」の進化が話題になりました。火星ゴキブリは、「テラフォーミング(惑星地球化計画)」のために火星に送り込まれたゴキブリが人型に進化したもので、人間をはるかにしのぐ戦闘力のほか、個体によっては人間以上の知能を持っています。 なかでも、「祈る者(インヴォーカー)」と呼ばれる火星ゴキブリの王は、想像を超えていました。現在の戦いは地球を舞台に行われており、そこで「祈る者」は人類の科学技術を活用してパワーアップした個体を生み出し、さらには人間の少女に共感して涙を流すなど、人間のような感情や社会性を獲得しつつあるのです。 新たな「種族」ともいえる存在へと進化した火星ゴキブリと人類の戦いは熾烈を極めており、目が離せません。 ※「噛道(ごうどう)」の実際の「噛」の漢字は印刷標準字体の方
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