【万博】声を上げる教員たち「会期前に下見して、安心して連れていきたい」 小中高校生の“無料招待事業”めぐり議会に『請願』を提出【開幕まで半年】
爆発事故などを受け「無料招待事業」に不安の声 「下見をしたい」教員たちが動く!
課題は、大阪府が進める学校の無料招待事業でも。大阪府は府内の小・中・高校生らを学校単位で万博に1回無料で招待する予定で、今年7月時点で府内の約8割の学校が参加を希望しています。しかし、今年3月の爆発事故などを受けて、子どもたちを安心して万博に連れていけるか不安視する声も上がっています。 (大阪教職員組合 米山幸治書記長 今年6月)「安全が保障されているとはとても思えない」 今年6月、会場となる夢洲に現役の教諭らの姿がありました。遠足のあり方などについて研究するグループで、会場の下見の時期がなかなか決まらないなか、せめて会場の外側だけでも視察しようとやってきたのです。しかし、入場ゲートの場所が確認できた程度で、引率のイメージをつかむことはできませんでした。 (現役高校教諭)「(入場ゲートは)1つの学校全員来ても全然余裕はあるけど、3校くらいでパンパンになるんちゃうかな」 (現役高校教諭)「安心して連れていきたいし、不安要素を1つでも削りたい。事前に私たちも知りたいし勉強したい」 安全で教育的意義のある校外学習にするためには、パビリオンの中身などの情報共有や早い時期の下見が不可欠と考えていますが、現状、博覧会協会は開幕後の下見しか認めていません。さらに、下見をした結果、万博に行くのを取りやめた場合、下見でかかった入場料を学校側に請求する方針です。 (現役中学教諭)「声を上げなかったら、教員に請求されることだってあり得ると思うんです。でもそんなおかしな話ないやろ」 グループは、これまで府などに意見書を出し対応の改善を求めてきましたが、大きな進展はありませんでした。そこで次の手段として『請願』に踏み切ることに。請願とは、自分たちの要望を議会を通じて国や自治体に伝えること。請願が議会で可決されれば、行政側は請願内容にどう対応したかなどを議会に報告する義務があります。議会を通じて市民が行政をチェックできるのです。 今回の請願内容は、主に以下2つ。 (1)“キャンセル料”によって学校が万博に行くかどうかを決めることに影響しないよう、最終的な万博参加・不参加の判断にかかわらず下見ができるようにすること (2)会場の安全対策など、教員が答えられない保護者からの問い合わせについての窓口を大阪府に設けること ただ、請願を提出するには賛同する1人以上の議員の署名が必要で、可決するには議会の過半数が賛成しなければなりません。