BEAMSの名物ディレクターが見つけた群馬の銘品「くるみ籠」の魅力【フーテンの寅みやげ】
次の目的地に向かう途中、立ち寄ったのが個人的に思い入れのあるJR吾妻線・中之条駅。数年前に訪れた際、駅前の食堂に貼られた古い新聞記事を見て気付いたのですが、実はここ、私が敬愛する映画『男はつらいよ』の主人公・車寅次郎が立ち寄った場所です。 特に『男はつらいよ』の中でも名作と名高い第25作「寅次郎ハイビスカスの花」の作中、浅丘ルリ子演じるマドンナ“リリー”と寅さんが再会するバス停があるのが、こちらの中之条町なのです。バス停で偶然出会った際の2人の掛け合いが絶妙で、とても素晴らしいシーンなので、少しでも気になる方はぜひ映画をご覧ください。
道の駅で見つけた「くるみ籠」に一目惚れ
そして、ここからが本題です。だいぶ前置きが長くなってしまいましたが、群馬の“フーテンの寅みやげ”として今回ご紹介するのは、“山の幸”です。山の幸といっても食べ物ではありません。クルミの樹皮を丁寧に編んだボックス型のカゴです。 山深く豊かな土地ならではの、貴重な素材を使った手仕事の一品。買った場所は、中之条にある道の駅「霊山たけやま」に立ち寄ったとき、偶然見つけた逸品。定価は8000円だったのですが、6000円くらいに値引きされていて、その佇まいに惹かれて即購入しました。 実は私、日本各地のカゴをコレクションしています。特に地元で採れた樹皮や蔓などで編まれたカゴは素材感と佇まいが素敵。手仕事で編まれたカゴには、作られる地域の気候や風土が如実に反映されていることもあり、ついつい旅先で思い出と共に持ち帰ってきたくなるのです。
青森県や秋田県などの東北地方でよく見られる樹皮製のカゴが、北関東の群馬にもある理由は、この辺りは標高も高く気温も低いからこそ、だと思います。貴重なコレクションがまた増えました。 ちなみに群馬の名産品として有名な工芸品として「入山メンパ」と呼ばれる、薄い木の板で形作られる小判型のお弁当箱もあります。いわゆる“わっぱ”ですが、これも素敵なものなので、興味のある人はぜひ調べてみてください。