多士済々のドジャース束ねたロバーツ監督の手腕 悪性リンパ腫に闘病の過去も 母は日本人
米大リーグのワールドシリーズでア・リーグの名門ヤンキースを下し、4年ぶりに頂点に立ったドジャース。大谷翔平やムーキー・ベッツらスター選手がそろう多士済々のメンバーを束ねたのが、2016年からチームで指揮を執るデーブ・ロバーツ監督(52)だ。 【写真】ワールドシリーズを制覇し喜ぶ大谷翔平らドジャースナイン 米国人の父、日本人の母を持つロバーツ監督は沖縄県生まれで、日本にも因縁を持つ。1994年、ドラフト28巡目でタイガースに指名されて入団。ドジャース、パドレス、ジャイアンツなどに在籍した現役時代は、俊足好打の外野手としてプレーした。 ドジャースの地元紙ロサンゼルス・タイムズ(電子版)は現役時代について、「小柄なロバーツはスカウトからそれほど高く評価されておらず、ドラフトでタイガースに指名されるまで28巡目までかかった。しかし、予想を覆してメジャーでは10シーズンもプレーした」と評する。引退後の10年には悪性リンパ腫を発症し、一時は闘病生活を送った苦労人でもある。 ドジャースの監督に就任して以来、ナ・リーグ西地区では盤石の強さを誇りながらも、WS制覇は20年の1度のみ。ポストシーズンでは敗退する不本意なシーズンが続いており、今季は米メディアの一部から「ドジャースが優勝を逃した場合、大きな組織変更が行われる可能性がある」(スポーティング・ニュース)とシーズン後に解任される可能性を報じられたこともあった。 「常勝軍団」としての厳しい重圧にさらされながらも、ポストシーズンでは臨機応変な継投を披露。攻撃面でもシーズン途中にカージナルスからトレードで加入したエドマンを積極的に起用し、メッツとの優勝決定シリーズでは最優秀選手(MVP)に輝いた。短期決戦での適材適所の起用が光った采配で、ドジャースを頂点へと押し上げた。