鹿児島県 名瀬中心商店街で初売り 新春の〝福〟求め人出 お目当ての福袋やセール品
奄美市名瀬の中心商店街で2日、新春恒例の初売りが始まった。商店街には朝から家族連れらが訪れ、お目当ての〝福〟を求める買い物客でにぎわった。 同市街地は7つの通りがあり、奄美なぜまち商店街の総称で市民らに親しまれている。今年も多くの店舗が初商いの呼び水にと、値頃感のある福袋やお得なセール品を取りそろえた。 末広本通りの文具店「東京堂」(泉力社長)では50個の福袋のほか、子どもに人気の「宝釣り」や「お年玉くじ」を今年も用意。午前9時の開店時には数十人が列を作った。家族5人で来た福長玲奈さん(31)は「毎年来ている。ここの商品は文具以外でも子どもから大人まで使える商品がたくさん入っていて楽しめる」と両手いっぱいに袋を抱え、一緒に来た名瀬小1年の叶羽(とわ)さん(7)も「時々人形も入っていてうれしい。開けるのが楽しみ」と期待していた。 ただ、近年は人手不足や消費者の節約志向などを背景に初売りを後ろ倒しする店舗も目立つという。ある店主は「コロナ禍と比べると戻ってはいるが、以前の活気はない。最近は買物形態もネットに移りつつあり、(今後の客足を見込み)採算度外視が現状だ」と嘆く。 名瀬中央通りアーケード商店街振興組合の堀口征治郎理事長(お茶の堀口園)は「状況は厳しいが、各通りが競い合って全体を底上げしていくことが大切だ」と述べ、「今、市とも協力して子どもを呼び込む施策を検討している。子どもを呼べば親も集まる。こんな時だからこそ協力してできることをやっていきたい」と力を込めた。