JPモルガンとモルガンS、米国株で異なる見解-市場の不透明感示唆
(ブルームバーグ): 向こう数カ月に米国株が一段と上昇することに賭ければ、失望することになる。JPモルガン・チェースのストラテジストらはこう指摘する。だが、モルガン・スタンレーは異なる見方を示している。
S&P500種株価指数は、高金利下でも過去7カ月のうち6カ月で上昇。ただ、相場見通しに関するこうした見解の相違は、米国株の記録的な上昇が今後も続くのかに関して不透明感が強まっていることを示唆する。相場が急ピッチで上昇しているため、ストラテジストらも予測を維持するのが難しくなっている。
ミスラフ・マテイカ氏率いるJPモルガンのチームは「米株式相場は夏場に上昇余地が限定的になるとみている。ディスインフレやノーランディング、企業の業績拡大加速に対するコンセンサス予想が一貫していないためだ」と、リポートに記した。
一方、モルガン・スタンレーのマイケル・ウィルソン氏は、自身の強気シナリオが今のところ有効だと話す。政府債務の増加で支出が引き続き拡大すると指摘。債券市場が緊張の高まりを示唆しない限り、株式を含む資産価格は短期的に上昇すると予想した。
ウィルソン氏のチームはその上で、質が低く、ファンダメンタルズに難がある銘柄が短期的に値上がりするのを追いかけないよう助言。こうした銘柄や消費関連の景気循環株、小型株にハイテク株から本格的なローテーションが起きるとは考えにくいと指摘した。
マテイカ氏は小型株が今年下期に反発するとみているが、それは米国より欧州でより多く見られると予想。「欧州で予想される利下げ開始と域内活動のモメンタム改善が原動力になる」とし、「米国ではこうしたカタリストはそう明確でない」と分析した。
原題:JPMorgan, Morgan Stanley Split on Outlook for Equity Gains(抜粋)
(c)2024 Bloomberg L.P.
Farah Elbahrawy