「低偏差値校→難関大」合格に導いた先生の教え。ほかの先生に理解されない中、受験指導続ける
そこから偏差値40台の学校に異動した有田先生は、前任校との違いに驚いたそうです。そこでは教員の協力体制は乏しく、前任校と同じように熱心に指導しようとしたところ、別の先生から「いっぱい補習しても、ここの生徒は変わらないよ」と言われることもありました。 有田先生はそのような空気の中で、たったひとりで放課後に、進学を目指す生徒のために英語の補習を始めました。 ■挫けそうな環境で日々受験指導 有田先生は当時を振り返りながらこう語ります。
「学校は、偏差値と関係なく、どんな学校でも生徒が主役です。たとえ進学実績が低い学校であっても、生徒が望むならば上を目指して一緒に励みます。いつからでも目標は実現できると、生徒の自己肯定感を育む必要があります」 ほかの先生には理解されない日々も続きましたが、有田先生は来る日も来る日も生徒のために教え続けました。根気強く活動を続けた結果、難関校に生徒が合格し始め、次第に協力してくれる先生もでてきました。
有田先生と10年来の付き合いである同僚の先生は、当時のことをこう語ります。 「10年前くらいに勉強会に来ていた生徒の中で、見た目はヤンキー系の生徒もいました。彼は学年で下位の成績だけれど、『自分を変えたい』と感じて、有田先生の勉強会に参加したそうです。勉強をひたむきに頑張るうちに、周りへの感謝を感じたり、勉強を頑張ることで自信をつけて、最終的には難関私大に合格しました」 かつて有田先生はタバコや飲酒などの問題行動を起こす生徒に対して「熱血指導」をしていた時期もありましたが、最近ではそのような目に見える問題行動を起こす生徒は少なくなってきました。
それでも、やりたいことがなく覇気がない生徒も増え、モチベーションを持って勉強を続けることは、昔よりも難しくなっている現状があるようです。 有田先生は「勉強を通して、自己肯定感を抱かせる」ことなしには、生徒たちの成長はないと実感し、より生徒に向き合うことに決めて、個々の生徒に応じた緻密な勉強プラン作りと、生徒1人ひとりの個性に合わせた熱心な指導を始めました。 先生自身が変化することによって、時代が変わった現在でも、有田先生の勉強会からは難関校に合格する生徒を輩出しています。