《若きノルケイン副社長にインタビュー》エクスクルーシブな日本限定ウオッチ&ハイエンドピースにかけた独立ブランドのプライドとパッション
2018年、スイスのニドー(ビエンヌ)に設立された【ノルケイン(NORQAIN)】は、新進気鋭の時計ブランドだ。現在では少なくなった完全独立経営を軸とし、パフォーマンス、デザイン、プライスいずれも満足度の高いコレクションで日本でも存在感を示している。今回、新作発表に合わせて副社長のトビアス・カッファー氏が来日したため、インタビューの機会が得られた。 【関連画像】その他の画像を紹介
独立経営は最重要。プロダクトにもブランドバリューにも大きく影響する
創業から10年も満たないブランドが世界中に販売網を構築し、熱心なファンを生んでいることは驚くべき事象といえる。そんなノルケインの推進力となっているのが、経営の独立体制だ。これをトビアス・カッファー氏は継続すると断言し、その重要性を解いてくれた。 (トビアス・カッファー氏)「ノルケインはインディペンデントブランドであることでアイデンティティを保ち、オリジナリティの高いプロダクトを生み出すことができています。この一貫した哲学により、デザインもメカも、細部の細部までこだわることができるわけです。かつてスイスブランドの大半がこうした業態でしたが、時代とともに変化してきました。これはブランドによっても業種によっても、状況や方針が個々で異なるためどちらが正解とは言えません。しかしノルケインの場合、国内屈指のサプライヤーがその企業理念に賛同してくれていることで、クオリティもオリジナリティも高いプロダクトを安定的に生産できています。これが我々の強みです」
伝統的な技術や文化が軽んじられてしまう傾向がある日本においても、しっかりと受け継いでいくべきとの声が高まりつつあり、地方創生のカギとしても伝統工芸や農林水産物に注目が集まっている。この季節になると駆け込み需要のある「ふるさと納税」も、そうした支援の一貫といえる。スイスでも1970年代の「クオーツショック」を経て、機械式時計の歴史的価値が見直されたのだ。 「我々は歴史こそ浅いものの、スイスの時計文化を未来へと繋ぐことをひとつの目標に掲げています。伝統的な時計製造技術を尊重しつつ、革新的なデザインと品質の保証を追求しているのです。ムーブメントでいえば、AMTを含むセリタやケニッシとのサプライヤー契約は続いていくでしょう。もちろん皆さんが期待されている未来に向けたプロジェクトも進行中です(笑)」