男子代表のトム・ホーバス監督、ロス五輪目標は「8強進出」 若手育成にも意欲 続投会見/バスケット
バスケットボール男子日本代表監督に再任されたトム・ホーバス氏(57)が5日、東京都内で記者会見し、2028年ロサンゼルス五輪の目標に8強進出を掲げた。今夏のパリ五輪では強豪に善戦しながらも1次リーグで3戦全敗。指揮官は河村勇輝(23)=グリズリーズ=の米プロNBAデビューを喜びつつ、有能な若手の育成に力を入れる考えも示した。 2021年東京五輪で女子日本代表を銀メダルに導いた名将が、ロサンゼルス五輪に照準を合わせた。ホーバス監督は力強く話した。 「ロス(五輪)にクオリファイ(出場権獲得)して、ベスト8に入りたい。チームの強さは絶対レベルアップしたい」 東京五輪後に男子代表監督に就任。48年ぶりに自力出場したパリ五輪では全敗に終わったが、銀メダルを獲得したフランスを、あと一歩まで追い詰めた。日本協会も手腕を高く評価。三屋裕子会長(66)は「もう少し時間をあげれば違ったと思う」と、五輪前から続投を検討していたとした。 母国の米国でリフレッシュして気持ちを切り替えたというホーバス氏は「七回落ちて八回立つというじゃないですか」。受諾の心境として「七転び八起き」を強調した。 4年後の目標達成には、選手個々のレベルアップは絶対条件。NBAデビューした河村について「長い間NBAにいると、絶対にうまくなる。日本に来る時が楽しみ」と笑顔を見せたが、若手育成は重要課題だ。今月のアジア杯予選へ向けたメンバーは「これまで合宿に呼んでいない若い選手を見たい」と選考。中でも204センチの大型センター、渡辺伶音(18)=福岡大大濠高3年=には「パリ五輪前の合宿ですごくいい仕事をした。まじめな選手。今回も楽しみ」と期待した。 初仕事は今月21日のアジア杯予選・モンゴル戦(日環アリーナ栃木)。指揮官は「勝ちたい、うまくなりたい。(来年のアジア杯本番で)優勝したい」と力を込めた。(只木信昭) 受諾裏話・全選手に電話 五輪後に日本協会から続投のオファーを受けたホーバス氏。当初は「今はバスケのことは考えたくない」と返答しており、「受けてくれるかドキドキしていた」と三屋会長。ホーバス氏は返答前に五輪代表選手全員と電話で話して意思を確認したといい、「みんながよかったよかったと言った」。とはいえ「『エーッ(嫌だ)』とはいえないじゃない」と報道陣を笑わせた。