「ライドシェア」今後どうなるのか? 今後の答えは“石川県”にあるのかもしれない 地方で進化する新交通手段の現状とは
外国人旅行者も安心の移動術
ニュースで目にする東京など大都市のライドシェアと、今回体験した小松市をはじめとする地方のライドシェア。後者のほうが重要で、ライドシェアというサービスに合っていることは明確だ。だからこそ大都市のライドシェアばかり取り上げられる現状には不満を抱いている。 4月に発出された国土交通省の通達により、自家用有償旅客運送の運賃を弾力化することにより、タクシーとの共同運営の仕組みを構築することが可能となった。これが実現すれば小松市でも、その形態への移行を考えているという。このスキームになって初めて「日本版ライドシェア」と呼べるのではないだろうか。 海外でライドシェアを利用した人の多くは、日本での導入を支持している。先日もインドに行った人が、ライドシェアのおかげで助かったという話をしていた。逆にいえば、日本に来る外国人旅行者にとっても、日本語を知らず円を持っていなくても必要な移動ができるライドシェアは重宝するはずだ。 ライドシェアがあればタクシーはいらないとは思っていない。移動の選択肢をできるだけ多く用意し、利用者が自由に選べる社会が理想だ。ライドシェアが不安なら乗らなければいい。でも一方で、ライドシェアがなければやっていけない場があることも事実なのである。
森口将之(モビリティジャーナリスト)