ルヴァンカップ敗退&無冠決定に一部からはブーイング。川崎・小林悠は「何を言われてもしょうがない」鬼木達監督は「自分の責任」
玉砕覚悟の“6トップ”は機能せず。
[ルヴァン杯・準決勝第2戦]川崎 0-2 新潟(2試合合計6-1で新潟が決勝に進出)/10月13日/Uvanceとどろきスタジアム by Fujitsu 【動画】川崎×新潟ハイライト ルヴァンカップの準決勝、アウェーでの第1戦に1-4で敗れていた川崎は、ホームでの一戦に決死の覚悟で臨んだが、初の決勝進出を目指す新潟に0-2の完敗を喫し、トータルスコア1-6で大会を後にした。 今季は残留争いに巻き込まれるなどリーグ戦では苦戦し、連覇を目指した天皇杯はすでに敗退。シーズンをまたぐACLエリートには9月から参戦しているが、鬼木達体制8年目で2度目の無冠が決定した。 3点差をひっくり返す必要があったホームでの第2戦、ここ数試合通り4-4-2で臨んだ川崎は、エリソンと山田新の2トップ、マルシーニョと家長昭博の両サイドハーフに加え、ファンウェルメスケルケン際、三浦颯太の両SBも前線に張らせる“6トップ”のような形で攻めに出たが、逆に中盤が空洞化し、前線と後方の距離が広まったことで効果的な攻撃ができず。 後半はよりバランスを取ったものの、新潟に前後半でそれぞれ1点をずつを奪われ、最後までゴールは遠いままだった。 ボランチの山本悠樹、河原創らはなんとかチームをコントロールしようと努めたが、この日は主将の脇坂泰斗を体調不良で欠き、焦りもあったのか、チグハグなまま90分を終えてしまった印象だ。 試合後には川崎にしては珍しく、一部のサポーターからブーイングが飛んだ。 サポーターへの挨拶の際、腕章を巻いていた小林悠はその声を真摯に受け止める。 「当然だと思いますね。これだけたくさんのサポーターが来てくれたし、最高の雰囲気を作ってくれたなかで自分たちが不甲斐ない試合をした。何を言われてもしょうがない。完全に負けたと思うので、自分たちの力がないということを受け止め、次に進んでいくしかない」 山本も言葉を揃えた。 「素晴らしい雰囲気だったと思いますし、それだけ期待してくれたサポーターには大変申し訳ないです。タイトルを獲るのは改めて難しいなと感じました。リーグ戦を含め今後貪欲に戦っていくしかないです」 試合後の会見では鬼木達監督が敗戦や無冠に関して「自分の責任」との言葉を口にしていたのも印象深い。その話を伝えると、小林は自らの想いを強調した。 「オニさんはファーストレグも気持ちの入るミーティングをしてくれましたし、それに応えられない僕ら選手のせいだと思う。監督は監督のせいだと言うかもしれないですが、選手としてはやっぱり選手のせいだと思いますね」 そして小林はこうも続けた。 「一人ひとりが成長していくしかないと思う。タイトルが取れなかったことで、また一回取るのがすごく難しくなるはずですし、だからこそ、このルヴァンカップはすごく大事だったと思うんですが、やっていくしかないですね」 苦しき敗戦をクラブとしてどう受け止めるのか。この一戦はかなり重たい意味を示すことになりそうだ。 取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)