「閉店するデパート」自民党&内閣支持率 “急上昇” に冷めた声…“総裁選祭り” 効果で「裏金問題」は忘却の彼方か
9月27日におこなわれる自民党総裁選で、新しい自民党総裁が決まる。 その後に想定される日程は、9月30日に自民党の役員人事、10月4日に臨時国会が召集され、首班指名のすえ、新首相が誕生する流れだ。つまり、自民党総裁選への不出馬を表明している岸田文雄首相は、残り任期が1カ月を切ったということになる。 【1位~12位】自民総裁選「総理になってほしくない」ランキング 岸田首相は、9月6~7日、韓国・ソウルを裕子夫人とともに訪問し、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領と会談。帰国した8日は、終日、首相公邸で過ごした。 そんななか、9月9日に「JNN世論調査」の結果が発表され、岸田内閣の支持率は8月の調査から3.3ポイント上昇し、34.3%だったという。 不出馬表明前、7月7日に発表された調査では、内閣支持率は26.9%だったため、この2カ月で7.4ポイントも上昇したことになる。自民党の政党支持率も7月の24.1%から、6.9ポイント上昇し、9月は31.0%になっている。 政治担当記者がこう話す。 「8月から総裁選の話題が活発化し、8月14日には岸田首相が自民党総裁選への不出馬を表明しました。その後、次々と総裁選への立候補表明が続き、政治に関する報道は、ほぼ自民党総裁選一色の様相を呈しています。 そうした状況が支持率を押し上げていると考えられます。内閣や自民党の支持率が急上昇しているのを見ると、すでに自民党の派閥パーティー券をめぐる裏金問題は世間から忘れ去られたかのような印象を受けますね」 実際、9月6日に小泉進次郎氏が出馬会見を開くと、一気に “選挙戦熱” の高まりを感じるような状態になっている。そのため、世論調査の結果に、Xでは冷めた声もあがっている。 《閉店するデパートに急に人が集めるようなもの。「世論」なんてしょせんそんなもの》 《アテにならねえ数字だな。総裁選のゴタゴタで出した数字にしか思えねえ》 《岸田の総裁選不出馬が評価されて支持率が上がったということ。変ではあるが》 前出の記者が言う。 「菅義偉前首相が退陣した後、新型コロナへの対応、ワクチン接種の推進、携帯電話料金の値下げ、デジタル庁の発足、不妊治療の保険適用化など、短期間で多くの政策を実行したことを再評価する声が高まりました。 そして、すでに岸田首相にも、外交政策や賃上げなどを再評価する世間の声が出てきています。日本人は辞める人には優しいようです」 歴史上、現役時代が終わってから評価された芸術家は多いが、政治家がそれではいけないだろう――。