<新人王レースの行方>2年目以降の新鋭も多数 多士済々の若手投手【パ・リーグ編】
受賞チャンスは生涯で一度きり。シーズンで最も活躍した新人選手に贈られる“新人王”の行方も気になるところだ。ただ、同賞の有資格は新人に限らない。育成上がりの面々や入団2年目以降の新鋭も新人王レースをにぎわせている。さあ、今季の勲章は誰の手に!? ※成績は9月12日時点、年齢は今季の満年齢 【選手データ】金村尚真 プロフィール・通算成績・試合速報
パ・リーグは投手の争いとなりそうだ。筆頭は西武のドライチ左腕・武内夏暉。白星こそ7勝だが、勝敗だけでは、その価値を表せない。8月11日の日本ハム戦(エスコンF)から自身4連敗を喫して貯金は1のみだが、歴史的貧打に陥っている打線をバックに投げ援護点が望めない中で質の高いピッチングを披露している。同じ先発では楽天・古謝樹が対抗に挙がる。外れ外れの1位指名で陰に隠れた存在だったが5勝をマーク。先発投手層が薄くなったチーム状況もあり、一軍での先発機会を与えられている。 救援投手ではオリックス・古田島成龍が筆頭候補だ。6位と下位指名ながら即戦力として大車輪の働きを見せ、新人史上2人目となる50試合登板以上で防御率0点台となれば、インパクトはさらに大きくなるだろう。 とはいえ、“新人王”の対象はルーキーに限らない(有資格は下記参照)。有資格者の中で、新人王争いに割って入りそうなのが、大卒2年目の日本ハム・金村尚真だ。4月に6連戦がなかったというスケジュールにチーム事情も加わり中継ぎとして開幕を迎えて4月だけで6ホールドを重ねたものの、新庄剛志監督は当初から「将来的には先発」と明言。その言葉どおり、5月に入るとさっそく先発ローテ入り。1年目の昨季は右肩の違和感でシーズンの大半を棒に振って2勝に終わったものの、指揮官をして「マウンドでの雰囲気も堂々として見える。何年目?」と言わしめるほど、力を十分に発揮している。先発転向後の16試合でクオリティースタートは11、多彩な変化球を駆使してゲームをつくる能力は一級品で、打線との兼ね合いで勝ち星こそ6にとどまるものの防御率は2.31を記録している。