今季のF1から見える2020年。ハミルトンが挑むシューマッハ超えとレッドブル・ホンダの王者メルセデスへの挑戦
そのハミルトンが所属するメルセデスも、2020年は記録がかかったシーズンとなる。メルセデスは2019年にコンストラクターズ選手権を制し、2014年から6連覇を達成した。これは1999年から2004年まで連覇したフェラーリの記録に並ぶ、歴代最多タイ記録だった。2020年にメルセデスがコンストラクターズ選手権を制すれば、単独トップとなる7連覇となる。 ハミルトンとメルセデスが2020年に偉大な記録を樹立できるかどうかの鍵を握る存在となるのが、レッドブル・ホンダだ。2019年に3勝を挙げたレッドブル・ホンダだが、実際には、もう少し多くの優勝を飾れるはずだった。ポールポジションを取りながらペナルティを受けて3番手に降格したメキシコGP。予選の最後のアタックでブレーキをロックさせてポールポジションを獲得できなかったアメリカGP。 もし、レッドブル・ホンダがこれらのグランプリで優勝していれば、彼らの勝利数は5勝となり、逆にメルセデスの勝利数は15勝から13勝へと減る。さらにその仮定をサマーブレイク以降の後半戦9戦にあてはめると、それぞれの勝利数はメルセデスが3勝で、レッドブル・ホンダも3勝と五分五分となる。つまり、後半戦のレッドブル・ホンダは、メルセデスと拮抗した戦いを演じていたわけだ。 2020年のレギュレーションは、ほぼ2019年と同じであることを考えると、この勢力図は大きく変わることはないと考えられる。 今年は2015年のF1復帰後、初優勝を飾るなど、日本のF1界を大いに盛り上げたホンダ。2020年はメルセデスを相手に、世界中のモータースポーツファンを興奮させる戦いを演じることを期待したい。 (文責・尾張正博/モータージャーナリスト)