実はラーメンは「栄養満点の食事」だった…がんで死ぬ国・日本の中高年にとって重要な“あるもの”が摂取できるラーメンのすすめ
運動は「無理にはしない」
ただし、ストレスになるような運動の仕方は避けるべきです。日本人の死因第1位のがんをはじめとする様々な病気の予防には「免疫力の向上」が重要です。ストレスは免疫力の低下を招きます。運動習慣のなかった人が嫌々ジムに通うとか、心身に鞭を打つようにしないと始められないという人は、あえて運動すべきではないでしょう。 かくいう私も運動が大嫌いなので、一切していません。ただ、糖尿病があることがわかってからは、毎日歩くように心がけています。移動の際には1駅分だけ余計に歩くとか、なるべく一日30分以上は歩くようにしています。 また、運動を頑張りすぎる人はかえって老化が進みやすいことも指摘しておきます。カロリーを消費して効率よく脂肪を燃焼するには「有酸素運動」が推奨されますが、有酸素運動は体を酸化させる活性酸素も大量に発生させるものです。活性酸素は細胞レベルで老化を進めてしまうので、有酸素運動は活性酸素対策とセットで行わなければ、筋肉をつけるどころか老化が促進されてしまいかねません。
息が切れて運動が続かないときは
40代を過ぎたあたりからは、多くの人が疲れやすさを実感し、駅などでは階段ではなくエスカレーターやエレベーターについ乗ってしまいたくなるものです。しかし、それは体力が低下したからというより、年齢とともに体を動かす量が減ったせいと考えられます。 体力(持久力)の指標として、「最大酸素摂取量」というものがあります。これは「体重1キログラムあたり、1分間に組織が酸素を取り込む最大の量」のことで、炭水化物や脂肪を酸素によって「燃焼」させてエネルギーを作り出す能力を表します。 最大酸素摂取量は、20代以降はなだらかに低下していきますが、例えば30代で一念発起し、毎日トレーニングをすると向上させることができます。加齢による衰えはあっても、80歳で一般の20代くらいの最大酸素摂取量を維持できるとされています。 人間の体は使い続けることで、高いレベルを維持することができます。つまり、日常の中で体を動かしてさえいれば、若々しさを保つことができるということです。運動習慣のなかった人が、定年後に週に1回、ジムに通ってトレーニングするよりも、毎日30分の散歩のほうが体力の維持にはつながりやすいはずです。 また、放っておけば一定の割合で低下していく最大酸素摂取量に比べて、握力の低下は少ないというデータもあります。日常生活で物を摑んだり握ったりする動作が、歳をとった後も若い頃とあまり変わらないことが知られています。 息切れをして運動が続かないという人も、最初は無理をしないで歩くことから始めれば、そのうち楽に続けられるようになるでしょう。一方、歩くだけで息が切れるという人は、私がそうだったように、心不全などの病気の可能性があるので、循環器内科などを受診して調べてもらう必要があります。心不全の場合、心エコー検査をすればすぐに有無が確かめられます。