自作キリコ、町内練る 金沢・鈴見台第三町会秋祭り 復興願い住民一体
金沢市の鈴見台第三町会の青年部が能登の復興を願うキリコを作った。29日の秋祭りでお披露目し、住民約50人が担ぎ、町内を練った。 鈴見台第三町会は材木地区でも比較的新しい住宅街。毎年行われる秋祭りで子ども神輿が町内を練るものの、大人と子どもが一緒になって盛り上がるような行事がなく、住民の一体感を高める方策を模索していた。 昨夏以降、青年部が中心となって企画を練っていたところ、元日に能登半島地震が発生。町内には能登にルーツを持つ住民もおり、祭りの中止を余儀なくされた奥能登の人たちに思いを寄せ、自作のキリコを担ぐことにした。 製作は副町会長で金属工芸作家の坂井直樹さん(50)が担当。キリコの正面には「どんな状況でも楽しさを見いだす」などの意味が込められた「随處楽(ずいきょらく)」と書き、能登へのエールとした。 29日の秋祭りでは、大人たちが自作のキリコを担ぎ、子ども神輿とともに「ワッショイ」と揺らしながら約2キロを練った。輪島市出身の坂本直規さん(59)は「幼い頃から慣れ親しんだキリコが練ってうれしい。一日も早い能登の復旧と復興を願っている」と話した。