三菱玉野で護衛艦進水式、命名「ゆうべつ」
三菱重工業は14日、グループ会社の三菱重工マリタイムシステムズ玉野本社工場(岡山県玉野市)で海上自衛隊が運用する3900トン型護衛艦(FFM)「ゆうべつ」の命名・進水式を行った。同艦は、多様な任務に活用できる新しい艦艇として開発された「もがみ」型護衛艦の8番艦。2024年度中の就役を予定する。玉野でFFMが進水するのは2番艦「くまの」以来、約3年ぶり。 今回進水した「ゆうべつ」を含む「もがみ」型は、機雷戦用の装備を搭載しているのが特長。遠隔管制機関銃など自動化した装備を導入することで、乗組員数を従来型に比べて半数程度の90人に抑えた。 VLS(垂直発射装置)などの一部装備に関しては、世界的な半導体不足などの影響を受け、8番艦「ゆうべつ」まで就役時点で搭載しないことが決まっている。 「もがみ」型は当初、三菱重工を主契約者、三井E&S造船を下請負者に、26年度末までに全12隻が建造される予定だった。しかし、三井E&S造船が艦艇事業を三菱重工へ譲渡したことに伴い全て三菱重工グループで建造されることになったという経緯がある。 4番艦「みくま」までが引き渡し済みで、9番艦以降は三菱重工長崎造船所が手掛ける。 防衛省は24年度予算で、「もがみ」型の改良型となる4500トン級新型FFM2隻の建造を要求。同艦は三菱重工を主契約者、ジャパンマリンユナイテッド(JMU)を下請負者に計12隻を調達する。玉野では今後、22年度予算で新造が決まった「ひびき」型音響測定艦の4番艦や、新型FFM、新型補給艦の建造が行われる可能性がある。
日本海事新聞社