3カ月後のマンション価格はどうなる? 新築は上昇だが中古は下落の懸念が強まっている!
首都圏周辺3県の中古マンション価格は下落が始まっている
エリア別にみると、図表6にあるように需要の強い東京都の2024年2月の新規登録価格は+3.7%だが、周辺3県はマイナスとなっている。埼玉県と神奈川県が-2.5%で、千葉県は-2.8%だ。 図表6 首都圏都県別の中古マンションの新規登録㎡単価前年同期比(単位:%) このエリアによる価格の二極化傾向は、マンション情報サイトの「マンションレビュー」のデータにも表れている。 図表7にあるように、首都圏全体の70㎡換算の中古マンション価格は前年比2.5%のマイナスだが、東京都は+2.6%で、都心5区(千代田区・中央区・港区・新宿区・渋谷区)は+12.0%と突出した上昇率だが、都心周辺は上がってはいるものの、上昇率が低くなっている。 図表7 首都圏中古マンションのエリア別の70㎡換算価格の1年前との騰落率 城東(台東区・墨田区・江東区・葛飾区・江戸川区)は+2.4%、城西(中野区・杉並区・練馬区)は+1.4%、城南(品川区・目黒区・大田区・世田谷区)は+0.4%、城北(文京区・豊島区・北区・荒川区・板橋区・足立区)は+0.2%の上昇率にとどまっている。 それ以外のエリアは下落している。都下(東京23区外)は-1.6%、埼玉県主要エリア(さいたま市・川口市)は-7.0%、千葉県主要エリア(市川市・船橋市・浦安市)は-7.3%、神奈川県の横浜市はー2.5%、川崎市は-2.3%の下落となっている。
エリア別の動向をきちんと把握した上で売買する必要がある
新築マンションはまだしばらく価格上昇が続くとみられるものの、中古マンションは都心やその周辺とそれ以外のエリアで異なる動きになっている。 都心とそれ以外の二極化にとどまらず、都心のみ高騰が続き、その周辺は微上昇、そして周辺3県は下落傾向と、三極化といってもいい状況に変わりつつある。しかも、周辺3県でも下落率にはかなりの違いがある。 今後はその二極化、三極化傾向がさらに強まる可能性があるので、住宅の売買に当たってはエリア別の動向をきちんと分析しながら判断していく必要がある。
山下和之