大戸屋が挑戦「1980円・高級すき焼き」の実力は? 「いきなり!ステーキ」運営のペッパーフードも同種の業態、しかし狙いは異なる
こちらが「国産黒毛和牛のすき鍋」の定食。メニュー写真では肉が赤くレアな状態に見えるが、写真上の演出のようで実際にはしっかりと火が通った状態で提供された。鍋もアツアツだ。 すき鍋には薄切りにされた国産黒毛和牛の肩バラがたっぷり150グラム。それ以外の具材も豊富で、しめじやエノキ、白菜、玉ねぎ、しらたき、豆腐が入っていた。 しっかりとした甘辛味のつゆで煮込まれており、定食チェーンの大戸屋らしくごはんの進む味付け。
しっかりとボリュームがあり、腹ペコの男性でも満足できるのではないだろうか。 主役である肉に関して。薄切りにされた肉の脂身は少なめ。いわゆる和牛のとろける感じや脂の甘みなどはあまり感じられず、特筆すべきほどの味わいではなかった。 「国産黒毛和牛」と謳ってはいるものの、和牛もピンからキリまである……と、写真を見て感じる人もいるかもしれないが、とは言え、価格は1980円だし、他の具材も入っていることからトータルの満足感は十分だ。
つゆが濃いめの味付けなので、肉自体の旨みが強くなくても美味しく食べられる。 何より、この価格とこのボリュームを考えればコストパフォーマンスは悪くないのだろう。 ■物議を醸した「すきはな」は素材勝負 一方の「すきはな」もチェックしてみた。同店は「国産牛」1980円、「黒毛和牛」2530円、「本日の特選和牛」3850円の3種類から肉が選べる。 こちらが1980円の「国産牛」の肉。大判だが薄切りが1枚。それが半分にカットされている。正確なグラム数はわからないが決して多いとは言えない量だ。
貧乏性の筆者は値段が頭によぎり大切に4口で食べ終えたが、人によっては2口かもしれない。この量がネット上で物議を醸したゆえんだ。 なお、ごはんと味噌汁は1回ずつおかわりが可能で、お新香や生卵、あおさが付く。食後にはミニソフトクリームもあるのでそれなりにお腹は満たされることを付け足しておく。 量が少ないことはさておき、「すきはな」では肉質への並々ならぬこだわりを感じた。口の中でとろける感覚、脂の甘みや香りなど、ワンランク上の味わい。一番安い「国産牛」でもしっかりと肉の美味しさを感じられた。