クラウド会計「使ってみた」(1)会計知識なしで使える会計ソフトが欲しい
会計知識のない筆者にも使いやすいか?
ここまで今年の会計処理を行ってこなかったのは、単にサボりたかったのではなく、今の会計ソフトをこのまま使うべきかどうか疑問を抱いたためです。正直言って、この会計ソフトとはいまひとつ相性が合いませんでした。ソフトの操作性と会計の知識の乏しさに起因する使い勝手です。 このソフトは、帳簿入力や設定の変更など、操作の種類に応じてそれぞれ別のウインドウを開いて入力するのですが、ソフトを終了させるためには、それらウインドウをいちいち全部閉じてメインウインドウに戻らないといけません。こうした細かな点がいちいち気になり、ストレスを感じていました。 ソフト本体だけではなく、マニュアルにも違和感を覚えました。モノクロ印刷で、文字が小さく読みづらいのは、己の視力のせいだとまだ我慢しましたが、税務署の相談コーナーで指摘された「開業資金」の入力方法について、マニュアルには記載がみつからなかったのに、よくある質問への回答をまとめた別刷りの書類1枚に記されているのをつい最近発見し、しばし固まってしまいました。会計知識のない筆者にも問題はありますが、「会計処理に必要なことは、すべてマニュアルに書いてよ」と嘆きたくなりました。 ウインドウ内のボタンは大きめ、操作方法もわかりやすかったので、人によっては高い評価を与えるのかもしれませんが、Windowsユーザーに比べてMacユーザーが選択できるパッケージ型会計ソフトの種類は少なすぎます。
クラウド型会計ソフトはOSを選ばない
今よりも使いやすいソフトはないのか、と考えたところ、クラウドなら、OSを選ばないということを知り、ブラウザからログインして利用するクラウド型会計ソフトに目をつけました。 ネットで調べてみると、クラウド型には会計知識がなくても簡単に入力できる点をアピールするソフトがありました。銀行口座やクレジットの取引を自動で取り込む機能や、スマホで領収書を読み込める機能は便利そうですし、Macでも使えると宣伝するソフトが多く、Macユーザーにとってはパッケージ型より選択肢が増えるのも魅力的です。 「クラウド型会計ソフトなら、会計知識が乏しい筆者でも、簡単かつ効率的に作業できるサービスがみつかるかもしれない」という期待を抱きつつ、クラウド型会計ソフトでシェア上位会社のfreee(東京都品川区)、マネーフォワード(同港区)、弥生(同千代田区)に取材を申し込みました。 次回以降、それぞれのクラウド型会計ソフトの特徴や使い勝手をレポートします。 (取材・文:具志堅浩二)