みこしの重さは400キロ近く、縦横無尽に転がす「奇祭」 壊れた破片は厄よけに
木曽郡木曽町福島で23日、白木造りのみこしを縦横に転がす「みこしまくり」が行われた。同日まで2日間行われた水無(すいむ)神社例大祭の最大の見せ場で、重さ400キロ近いみこしが勢いよく転がると、集まった見物客が歓声を上げた。 【写真】豪快に転がされたみこし。てっぺんは地面に
みこしまくりは、木曽から出稼ぎに来ていた惣助(そうすけ)と幸助(こうすけ)の兄弟が岐阜で起きた戦乱からご神体を逃そうとみこしで運び出し、まくり(転がし)ながら木曽へ戻ったとの故事にちなむ。
みこしの担ぎ手「枠持ち」らは「そうすけ、こうすけ」のかけ声に合わせてみこしを横方向に転がし始めた。担ぎ棒を支点に縦に転がす縦まくりでは、その豪快さに見物客から悲鳴に近い歓声が沸き、盛んに拍手が送られた。
壊れたみこしの破片は厄よけになるとされ、見物客に配られた。栃木県野木町の会社員吉光竹二三(たけふみ)さん(65)は破片を受け取り「奇祭ですね。破片は家の仏様に供えます」と喜んでいた。