社長もマッチョ!社員もマッチョ!“元祖・筋トレ採用”名正運輸の社長に聞く「トレーニングありきの働き方」のなりたち
50年以上の歴史を持つ、名正運輸株式会社。加藤新一社長に『筋トレ採用・筋肉中心の働き方』のなりたちと、その採用に込められた想いを聞いた。
間近で見続けた、ボディビル競技と社会人の両立の苦難
はじまりは、「ジュラシック木澤」の異名で知られる、トップボディビルダー木澤大祐選手との出会いだった。 「若いころの木澤選手は、サラリーマンとして勤務するトラックドライバーとボディビル競技を両立するため、2時間の睡眠でトレーニングに打ち込んでいました。その姿に感銘を受け、『ボディビル競技と社会生活の両立のために何か手助けできることはないだろうか』と思ったのが、なりたちの根幹だと思います」 「私もトレーニングが好きで、出会いからパーソナルトレーニングを含めた10年以上の公私での付き合いとなり、木澤選手が『自分のジムを出したい』という運びになった際、自社の空き事務所を譲渡して出店となりました。自分も週に5日は通っています」
制度ができたきっかけは、「社員の大会出場」
「うちの、とある社員が大会に出場したいという話になりました。その後押しとして個人で行った援助を、いっそ会社全体の福利厚生として提供しようと考えたのが制度の始まりです」 「提携ジム(東海はジュラシックアカデミー、関東はゴールドジム)の無償使用権、パーソナルトレーニング費用の補助、サプリメントの支給、大会遠征費用の援助など、現場の声を聞きながら揃えていった形ですね。自身もトレーニーなので当事者目線で必要となる制度も考えやすかったです」 「求人しても集まりにくい」と言われる配送業界。だが、「社会人になってもトレーニングを続けたい、競技を諦めたくない」。そういう求職者層に必ず需要があると加藤社長は考えた。その考えは的中、“筋トレ採用”を始めてから応募数が飛躍的に増え、現在までで100件近い応募、内定者を含めると19名が筋トレ採用の社員として在籍する。
「トレーニー」と希望する人材のマッチ
「弊社が求める人材とトレーニーの思想・行動は共通する部分が多いんです。真面目で粘り強く、挑戦心と情熱があるということ、良い肉体を作る上で飲酒・喫煙を避けるなどの健康意識も高い。そういう方に来ていただけるということが、雇用・被雇用双方のメリットとして合致しています」 「健康意識の高さ」という基準は、加藤社長の個人的な願いも込められているという。 「業務上で必要な要素でも勿論ありますが、実務的な意味だけではなく社員の方々が人生自体を健やかに生きて欲しいという個人的な願いがあります。父を肺気腫で亡くしたことや、病で早逝した社員をみてきた経験から、弊社では非トレーニーの方にも禁煙など健康的な生活に対する姿勢に『健康手当』という独自制度を設け、金銭支給だけでなく人間ドッグや脳ドッグの無償化などで支援しています」 「筋トレ採用や“ジュラシックカップ(木澤選手が主催者のひとりである新興のボディビル大会)”の冠スポンサーとしてフィットネス業界を盛り上げたいというのも、日本の健康意識の高まりの下支えになりたいという気持ちです」