雨でぬれた地面に座り込む1匹のサル。 右手と足を使い、器用に花をつかんでいます。 連日、目撃されている左手の一部がないサルです。 9日午前9時ごろ、東京・小金井市で姿を撮影されました。 人間を避けるように走り去るサル。 一度は柵の上に座りましたが、すぐに立ち去りました。 その後、サルは隣接している府中市の武蔵野の森公園や味の素スタジアムなどで目撃情報が寄せられました。 8日正午過ぎに目撃されたのは西東京市でした。 その後、武蔵野市にも出没。 サルが目撃された近くの畑では、サルが残したと思われる足跡がありました。 目撃された近辺の防犯カメラには雨の中、住宅の玄関前を堂々と通り過ぎる姿が捉えられていました。 住宅のひさしの上に現れた際には、サルのすぐ後ろにカラスが現れ、サルがカラスを追い払うような様子も見られました。 連日、目撃情報が寄せられている左手の一部がないサル。 実は2024年春に、同じ特徴を持ったサルが福島県で目撃されていました。 2024年4月29日、福島・西郷村で撮影された映像では畑に脇に座っていたサルが歩き出し、山の中へと向かっていく様子が確認できます。 歩く様子を見ると左手の一部がないように見えます。 また7月には栃木・宇都宮市で、左手の一部がないサルが塀の上に座り何かを食べていました。 福島県や栃木県で目撃された同じ特徴を持ったサル。 もし同じサルだとすると、4月の福島県に始まり栃木、千葉、埼玉、東京と移動していることになり、その距離は200kmを超えています。 果たして同じサルなのでしょうか。 アジア動物医療研究センター・パンク町田センター長: 福島で目撃されたサルと、東京で現在目撃されているサルが必ずしも同一とは言い切れないかもしれないです。福島の（サル）はメスに見えるからです。 福島で目撃されたサルの画像が鮮明ではないため、左手だけで断定するのが難しいといいます。 一方でこんな話も…。 アジア動物医療研究センター・パンク町田センター長: 手がないだけならば、去年ここら辺にもいましたよ。 2023年、千葉県にあるパンク町田さんの施設の敷地内に現れたオスのサルの映像です。 やはり左手がありません。 アジア動物医療研究センター・パンク町田センター長: （左手のないサルは）まあまあ見ます。どうして左手なのかはわからないです。左手をわなに入れてしまって、手を失ってしまうサルはいますよね、多いです。 そして、片手がないサルへの対応についてパンク町田センター長は「前足を欠損していようといまいと、野生のサルは餌付けしないことです。それは優しい気持ちでやっているつもりかもしれませんが、お互いにデメリットにつながる行為になってしまうので、絶対餌付けしないこと」と話しました。