【MLB】 タイガースがブレグマンに強い関心 争奪戦必至も、ライバルは減る一方か
2014年以来のプレーオフに進出し、躍進を遂げるタイガースは勝負期への移行を目指している。先日グレイバー・トーレスを1年契約で射止めたばかりだが、タイガースは依然として今の市場で最大の大物、アレックス・ブレグマンの獲得を狙っているという。地元紙「デトロイト・フリー・プレス」が報じている。 【特集】2024年オフシーズンの移籍情報まとめ 30歳のブレグマンは今季145試合に出場し、26本塁打、OPS.768の打撃成績を残した。さらに守備指標OAAでも+6を記録し、自身初のゴールドグラブに輝いている。総合指標bWAR、fWAR共に3年連続で4以上を記録するなど、攻守の安定感は折り紙付き。アストロズを2度の世界一に導くなど、大舞台の経験も豊富な選手だ。 タイガースの三塁は、現状2022年ドラフト全体12位指名の有望株ジェイス・ヤンが入ると見られている。さらに今季16本塁打の主軸マット・ビアーリングも、本職は外野手ながら三塁をこなすことができる選手だ。ただ、ヤンは守備力が未熟(190イニングでOAA-3)で、ビアーリングも外野向きの選手。ブレグマンが仮に加入すれば、大きなアップグレードとなることは間違いない。 ブレグマンのタイガース加入は、双方にとってメリットがある動きだ。ブレグマンは古巣アストロズとの再契約交渉が不発に終わり、アストロズは結局、三塁手イサーク・パレイデスと一塁手クリスチャン・ウォーカーを獲得。ブレグマン争奪戦から完全に撤退した。アストロズが撤退した今、他の有力なFA選手の契約もトレードも着々と進み、ブレグマンの市場は縮小している。 タイガースの他にブレグマン争奪戦に加わっているとされるレッドソックスも、三塁手には主砲ラファエル・デバースがいる。よって、トレードによってポジションを融通しない限り、ブレグマン獲得は実現しないかもしれない。デバースを一塁手にコンバートし、一塁手トリストン・カサスをトレードする案は現実的なシナリオだったが、カサスをマリナーズに送るトレードの破談が先日報じられたばかり(このトレード案には吉田正尚も絡んでいた)。今オフの一塁手市場は目まぐるしい動きを終えたばかりで、今からカサスのトレードが実現する可能性は低いかもしれない。 ライバルが減っているとはいえ、タイガースにとってネックとなるのが、資金力の問題だ。タイガースは収益分配の対象であり、2018年以来、総年俸ランキングで17位より順位が高かったことがない(米サイト「Cot's Baseball Contract」を参照)。一方、ブレグマン側は2億ドル以上の契約を求めているとされており、アストロズからの6年1億5600万ドルのオファーを断っている。同記事によれば、タイガースはブレグマン側の要求である2億ドル以上の契約をオファーするつもりはなく、両者の間には依然隔たりがあるという。しかし、ここ1ヶ月で交渉は大きく進展したとも言われており、今後両者がどれだけの譲歩を見せるかが鍵となるだろう。