レディー・ガガの前座に抜てき 「BABYMETAL」とはどんなグループ?
元々はアイドルグループの派生ユニットといった位置づけでしたが、アイドルらしからぬハードなヘビーメタルサウンドでシャウトし、独自のダンスを織り交ぜたスタイルが早くから海外で注目され、今年発売された初アルバムは米ビルボード総合チャートに日本人史上最年少でランクイン。7月には欧州を中心に世界ツアーを敢行、海外のメタルファンをも熱狂させているのです。また米人気歌手、レディー・ガガのアメリカ公演のサポート・アクト(前座)も決定したことで、逆に日本で人気が再認識されることになりました。彼女たちが所属するアミューズは、「youtubeなどを通じて以前から海外でザワザワしている雰囲気はあった。今年に入って一気に人気が表面化してきた感じだ」と話し、BABYMETALの海外人気に手ごたえを感じているようです。
■海外人気
BABYMETALはSU-METAL(16)=中元すず香、YUIMETAL(15)=水野由結、MOAMETAL(15)=菊地最愛、という全員10代の3人組。元々は小中学生のみが集まるアミューズのアイドルグループ「さくら学院」の課外活動「重音部」として集まり、2011年10月に「ド・キ・ド・キ☆モーニング」でインディーズデビューします。同曲はアイドル曲的なイントロから突然メタル調に変化する曲調で、「メタル」と「カワイイ」が交錯する姿がyoutubeを中心に海外から注目を集めました。2013年1月には、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」でメジャーデビュー。同年3月に中元すず香が中学校を卒業し、さくら学院を抜けますが、解散はしないでそのまま活動を継続することを決め、アイドルユニットの枠を脱皮。今年3月には日本武道館で公演を成功させ、日本でも着実に人気を得ています。
しかし注目すべきは海外での人気。今年2月に発表した初めてのアルバム「BABYMETAL」はビルボードチャートインのほか、アメリカ、カナダなどのiTunes Storeメタルチャートで1位を獲得。さらに7月1日にスタートした世界ツアーではフランス、ドイツ、イギリスと欧州を周り、イギリスでは高い人気の高さから1000人規模から2500人規模の会場に格上げされ、興奮した観客が体をぶつけあうロックコンサート定番の「モッシュ」が起こるなど公演を成功させました。今月末には米・ロサンゼルスの公演が予定されています。 昨年末披露された「ギミチョコ!!」はyoutube再生回数が1100万回を突破(7月15日現在)、投稿コメントもほとんどが外国語で占められ、外国人人気の高さはほかの女性アイドルと比べ際立っています。さらにレディー・ガガの公演参加は今月30日から5公演が予定されています。出演についてはガガ本人からの依頼と伝えられています。 BABYMETALの海外の人気についてアミューズは「先方からのオファーがほとんどで、ほぼノープロモーション」としていますが、アイドル専門ライターとしてアイドルの最前線に詳しい岡島紳士氏は「ド・キ・ド・キが海外で反響が大きかったことを受け、運営担当が手ごたえを感じたと思う。メギツネという曲のPVでは能や和太鼓などを使うなど、早くから和を取り入れた展開をして海外を意識してきた。事務所の先輩であるPerfumeが海外で人気を得ていたことも大きかったのでは」と指摘します。BABYMETAL とPerfumeは振付師も共通しており、先輩のお手本を見ながら、さらに飛び越えて欧米への展開を加速させているともいえます。