レディー・ガガの前座に抜てき 「BABYMETAL」とはどんなグループ?
■メタルとの融合
メタルフェスなどに参加した際は賛否両論が出たといわれますが、パフォーマンス力の高さで、次第に観客の盛り上がりを獲得していきます。BABYMETALの曲はメタリカやXJAPANなどにオマージュをささげる形で、内外のメタル、ロックサウンドを多く取り入れているといわれており、これにアイドル曲やJPOPのキャッチーな面がうまく融合したことで、「マニアックになり過ぎず、大衆に受け入れられる形になっている」(岡島氏)。 公演会場も黒と赤が基調で、十字架などがかがけられ、完全にロックコンサート仕様になっています。ボーカルの中元すず香のアイドルらしからぬ歌唱力は以前から評価が高く、そこに水野、菊池のシンクロしたダンスが加わり、独特の雰囲気を醸し出しています。またバックバント「神バンド」などの生演奏は本格的で、メタルファンも納得させる力を加えています。英米のマスコミも取り上げはじめており、「ギミチョコはくせになる」、「これはメタルなのか」といった賛否はあるものの日本の女性アーティストが話題にあがるだけでも注目度の高さをうかがわせます。 「アミューズ」は一部上場企業で、近年東南アジアを中心に海外展開を強化する方針を示しています。BABYMETALについて「アイドルとは位置付けていない。一アーティスト」と強調。「全員が学生のため、できる期間は限られるが休みに合わせて再び海外公演などは考えられる。海外子会社などを通じて外国でのライブ・ビューイングを行うのも検討課題」としています。
■クオリティー重視
BABYMETALは当初から握手会などをせず、公演を中心にファンの前に立ち、その公演でもMCもほとんどしない、異例の形でファンを引き付けています。一方、近年の日本のアイドル業界は握手会などファンとの交流を前提にCD販売の成功につなげてきました。しかし、アイドル業界の先頭を立つAKB48の握手会では最近傷害事件が起きており、ファンと直接交流する方式が転換期に来ているともいわれます。 これについて岡島紳士氏は「BABYMETALは長期的な計画を持ち、常にクオリティーの高さを保ち、しっかりしたものを作り続けてきた。これはアミューズのような一定の経営体力がないとできない。実はBABYMETALは簡単には真似できないともいえる。当面、中小プロダクションは握手会などファンとの接触に頼らざるをえないのではないか」とみています。異色の存在「ベビメタ」が今後、どこまで広がっていくのか目が離せません。