福知山成美高野球部、新監督に審研人教諭 中学校での指導で成果
多くの人から応援されるチームに
京都府福知山市水内、福知山成美高校野球部の新監督に、前中学校教諭で、日新中や南陵中で野球部監督を務めた審研人さん(34)が就いた。審新監督は「凡事徹底をスローガンに、多くの人から応援されるチームにしたい」と意気込む。 審監督は、南陵中学校野球部で主将を務め、京都成章高校での3年間を経て大阪体育大学に進学。捕手として全日本大学選手権、明治神宮大会に出場した。 大学卒業後、中学校の保健体育の教諭となり、日新中野球部の監督時代には夏2回、秋1回の計3回府大会を制し、近畿大会にも2回出場するなど、その後日新が全国で活躍する素地を作った。 高校野球の指導に携わりたい-という思いは以前からあった。「自分の夢を見つめ直していたタイミングで、成美から教諭、野球部指導者として迎え入れたいとの打診があり、葛藤はありましたが、挑戦することに決めました」と言う。 そして3月末で中学教諭を退職し、4月に保健体育の教諭として成美高に採用。コーチとして野球部に携わり、今夏の京都大会敗退後、正式に監督に就任した。新チームの目標は選手に決めさせ、過去最高成績の全国8強を上回る全国ベスト4を掲げる。 「まずは選手や周りの人たちに認められるよう、頑張っていきたい。選手の活躍、成長が、応援してくれるみなさんの希望になると思うし、引き続き愛されるチームをめざしていきたい」と目を輝かせる。
■10年間監督を務めた井本さん 重責終える
監督を10年間務めた井本自宣さん(50)は、今夏限りで退任。「これまでの自分の経験を信じ、選手の夢実現のサポートを」と審新監督の背中を押す。 井本さんは成美高OBで、1997年に野球部コーチ、2007年に部長となり、2014年から監督を務めた。コーチ、部長時代に計6回甲子園に出場。監督になってからは、2019年春の選抜にチームを導いた。井本体制で挑んだ最後の夏の京都大会は、4回戦で北嵯峨に4-5で惜しくも敗れた。 「野球部からは離れることになるが、感傷的な部分はない。成美高の教諭という立場は変わらないし、これまでは野球を通じて生徒の夢を応援してきたけど、これからも生徒たちの夢や目標をサポートするのは同じ」と語る。 一方で「もちろん選手らとの思い出は数えきれないほどある。野球部の運営や選手の育成などは、到底一人ではできなかった。10年間監督を続けられたのは、学校内外のたくさんの方々が支えてくれたおかげです」と感謝している。 降雨で継続試合となり、2日間にわたって行われた今夏の3回戦では、退職した教職員を含め、退任のうわさを聞き付けた多くの人が、会場のあやべ・日東精工スタジアムに駆けつけてくれた。 「チームをずっと応援してくれている近所のおばあちゃんも、昨年末から体調を崩していたのにもかかわらず、球場に足を運んでくれていた。目標としていた『地元に愛されるチームづくり』ができていたことを実感でき、うれしかったです」