歌謡曲好きの少年は、ビートルズ、フォークの洗礼を受け…「佐藤竹善」に警察官の夢を捨てさせた“運命の一枚”とは
一時は警察官を目指すも
進学した県立青森高校では軽音楽部に所属。だが、高校3年で音楽をピタリと辞めてしまう。大学の法学部に入り、将来は警察官になろうと考えていたためだ。 「大卒なら、警察学校には半年行けば済むという不純な動機でした。早く刑事になりたかった。『太陽にほえろ!』を見て憧れたからです(笑)」 法学部を目指して勉強を続けていた頃、ビリー・ジョエルが世界的にヒットする前の曲を集めたライブアルバム「ソングズ・イン・ジ・アティック」が発売された。収録曲の「さよならハリウッド」をラジオで耳にし、母親にクリスマスプレゼントとしてこのアルバムをねだった。ビートルズのアルバムを初めて聴いた時と同じぐらいの衝撃を受け、翌朝までずっと繰り返して聴き倒した。 「翌朝には、もうプロのミュージシャンになろうと思っていましたね」 警察官の夢はまだ引きずっていたが、法学部には無事合格。一緒にミュージシャンになろうと口説きにいったのが、同じ軽音楽部で、今もSLTでともに活動する藤田千章だった。 「藤田は僕と別のバンドで作詞作曲をしていました。その藤田を作詞メインにし、僕は曲を書いたこともないのに無理やり書いて『二人で作詞作曲のコンビになろう』と朝まで口説き倒したんです」 朝方、朦朧とする藤田からOKが。SLT誕生の萌芽だった。 *** あらゆるルーツから自分たちの好きな曲を書くスタートラインに立った佐藤。第2回【制作費2000万円を「僕らの音じゃない」でやり直し… 「SLT」佐藤竹善が語るバンドの原点と挑戦】では、SLTのデビューからの秘話を語っている。
デイリー新潮編集部
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