【平泉成 × 佐野晶哉】平泉さん「佐野くんは、もっともっと大きく羽ばたける逸材」
役として成長していく姿は、成さんのお芝居で作っていただいた(佐野)
ーー役を演じる上では、どんなことを心がけていらっしゃいましたか? 平泉:役作りで意識したのは、とにかく下品にならないように、ということ。それは、今回にかぎらず、昔から気をつけているんです。人間は、品が悪くならないように頑張って勉強するんだろうと思っているので、芝居も同じだなと。 佐野:撮影現場でも、一緒に食事をしながらそういうお話をいっぱい伺えたのが勉強になりました。僕が演じた太一は、脚本の中井(由梨子)さんがあて書きみたいな形で書いてくださっていたので、無理して役を作る感覚はなかったんです。ただ、前半の周囲に心を閉ざした太一から少しずつ変わっていく過程のグラデーションのつけ方がまったくわからなくて。でも、途中から成さんとご一緒する撮影がどんどん増えていくにつれて、太一としてどんなに殻に閉じこもろうとしても、成さんのお芝居でこじ開けられていったんですよね。太一が成長していく姿は、成さんに作っていただいた感じでした。 平泉:僕は、佐野くんに対して「そのままでいい」と思っていたんです。(佐野さんを見ながら)この雰囲気でスッと佇まれたらね、なかなかのものでしたから。 佐野:またそんな! ありがとうございます!
『明日を綴る写真館』
さびれた写真館を営む無口なカメラマン・鮫島(平泉成)。彼の写真に心を奪われた気鋭のカメラマン・太一(佐野晶哉)は華々しいキャリアを捨て、弟子入りを志願する。写真館を訪れる客と対話を重ね、彼らの“想い残し”に真摯に向き合っていく鮫島に振り回されながらも、自分に足りないものに気づき始める太一。同時に、鮫島と家族の間にも目を背けてきた“想い残し”があることを知り、悔いのない未来のために一歩を踏み出す。 ●6月7日(金)全国公開
撮影/千葉タイチ ヘアメイク/石下谷陽平(平泉さん分) 永井 絵美子(JOUER・佐野さん分) スタイリスト 寒河江 健(Emina・佐野さん分) 取材・文/吉川由希子