「クリスマスケーキ」には日本の“古きよき時代”が詰まっている?「クリスマス=ケーキ」はなぜ定番化したのか
そして2023年の合計市場規模は、2000年より12.29億円大きい。大まかに見れば、2人以上世帯の市場が縮小し、単身世帯の市場は増加しているが、それは世帯構成の変化を反映していると思われる。 最近では、クリスマスの新たなトレンドとして1人でシュトレンを楽しむ人も増えているという(クリスマスの新定番「1人シュトレン」浸透のなぜ)。クリスマスケーキが家族や恋人同士、友人同士など比較的複数人で食べるものに対して、シュトレンは家族がいるか否かにはかかわらず、個人で楽しむ人が少なくないという。
ケーキの価格上昇問題以前に、クリスマスの過ごし方や食べ物の選び方が多様化している。今後もその変化を見守りたい。
阿古 真理 :作家・生活史研究家