ホンダ「NSX-R」の相場がゆるやかに上昇中! アイルトン・セナの試乗動画が今も人気の「日本のスーパーカー」価値はどこまで上がる?
そうそうたるエキゾチックカーと肩を並べる「NSX-R」
2024年11月1日から2日にかけて、イギリス・ロンドンに新しくオープンしたザ・ペニンシュラ ロンドンにてRMサザビーズが自動車オークションを開催しました。 【画像】「えっ…!」4000万円以上が当たり前!? これがオークションをにぎわせたグリーンのホンダ「NSX-R」です(18枚) そうそうたる顔ぶれのエキゾチックカーが並ぶ中で注目を集めたのが、1994年式のホンダ「NSX-R」(走行距離3万3132km)です。
ホンダ「NSX-R」(前期型)は、各部にチューニングを施したピュアスポーツカーとして1992年に登場しました。 見どころはなんといっても軽量化技術で、スタンダードモデルに対して120kgの軽量化を実現。その裏には、エンジンメンテナンスリッドのアルミメッシュ化や、エンケイ製の軽量専用アルミホイールやレカロ社と共同開発した軽量フルバケットシートの採用、さらには、MOMO社製の軽量ステアリングやチタン削り出しシフトノブなどが装着されていました。 サスペンションには、分離加圧式高応答ダンパーを採用。ダンパーやスプリングの強化やアライメントの見直しなど、細かい部分までチューニングが施されていました。 エンジンは、3リッターのV6自然吸気式。最高出力は280ps、最大トルクは30.0kg-mを発生しました。 今回、オークションに出品されたのは、リトラクタブルヘッドライトを備えた前期型のみにラインナップされた“シャーロットグリーンパール”をまとったモデル。珍しいボディカラーも相まって、個人的にも注目していた1台です。 予想落札価格は23万~29万ポンド(約4490万円~5661万円)と掲げられていましたが、同オークションでは落札に至らず。後日“商談”にて売却されたそうです。 参考までに、1994年の新車時にオーナーが支払った金額は1125万円だったそうです。 ●「NSX-R」の相場はまだまだ上昇する!? 2024年に海外の主要オークションに出品されたホンダ「NSX-R」(前期型)は、ザ・ペニンシュラ ロンドンのオークションに出品された1994年式のシャーロットグリーンパールのモデルを含め、わずか7台しかありません。 そのうち2台は、1993年式(走行6.6万km)が34万9995ドル(約5384万円)で、1995年式(走行1.7万km)が39万9000ドル(約6138万円)で、現在、オークションハウスにより販売されています。 なお、2024年に落札された「NSX-R」のうち、最安値は1993年式(走行5万km)の26万4000ポンド(約5154万円)。最高値は1993年式(走行3.8万km)の36万8000ドル(約5661万円)となっています。 一方、過去に取引された“シャーロットグリーンパール”の「NSX-R」(前期型)を漁ってみたところ、2022年にアメリカのBring A Trailerで1993年式が落札されていました。走行距離は6.1万kmでしたが、30万5993ドル(約4707万円)で落札されていました。 2023年、1995年式(走行6000km)の物件がなんと63万2000ドル(約9723万円)で落札されていますが、過走行でもない限り、「NSX-R」(前期型)は一般的にイギリスポンドなら25万ポンド前後、アメリカドルなら30万ドル後半という“ベース相場”が存在しているようです。 自動車に限らず、オークション(競り)はその場のノリや入札の盛り上がりによって価格が左右されるものです。漁ってみたオークションデータを見る限り、「NSX-R」(前期型)の相場はゆるやかな上昇基調(2年でプラス約10%)にあると見受けられます。 ちなみに、故アイルトン・セナが鈴鹿サーキットでプロトタイプを試乗した際の動画が、いまだに動画共有サイトでは人気の様子。そんな注目の名車を買って、乗って、しかも数年後には売却益まで見込めるなんてうまい話がいつまで続くのやら……と思ってしまいます。 しかし、冷静に考えてみると、「NSX-R」は前期型が464台、後期型が140台しか生産されていません。そう考えると、まだまだ上昇する余地はありそうです。もっとも、もはやここ日本に、どれだけの「NSX-R」が現存するのかは定かではありませんが……。
古賀貴司(自動車王国)
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