ファイナンスとは何か? その2 ファイナンスの種類 コーポレート・ファイナンスとパーソナル・ファイナンス
その2ではファイナンスの種類について解説したいと思います。ファイナンスにおける主体、目的、目的を実現するための手段の違いにより、ファイナンスにはいくつかの種類があります。 具体的には、コーポレート・ファイナンス、パーソナル・ファイナンス、パブリック・ファイナンス、ソーシャル・ファイナンスに分類することができます。それらの違いについて、以下に説明していきます。
コーポレート・ファイナンス(Corporate Finance)とパーソナル・ファイナンス(Personal Finance)
■コーポレート・ファイナンス 主体: 主体は企業またはビジネス組織です。企業の経営者、財務部門、および経営者が企業ファイナンスを担当します。 目的: 目的は企業の資金調達、資金の適切な使用、利益の最大化、企業価値の向上、事業の成長、リスク管理など、企業の経済的な目標を達成することです。 ツール(目的達成のための手段): 資金調達方法としては、銀行融資、株式発行、債券発行、資本予算編成などがあります。評価のためのツールとしては、財務諸表、財務分析、評価モデル、リスク管理手法などが使われます。 ■パーソナル・ファイナンス 主体: 主体は個人または家族です。個人の財務管理、個人投資家、および金融プランナーが個人ファイナンスを担当します。 目的: 目的は個人の財政的な目標を達成することです。これには貯蓄、投資、資産保護、債務管理、退職計画などが含まれます。 ツール: パーソナル・ファイナンスの資金調達手段としては、住宅ローンをはじめとする個人向けローンがあります。資産運用手段としては、銀行預金、株式投資、外貨投資、債券投資などが挙げられます。 一方、評価ツールとしては、ライフプラン・キャッシュフロー、投資ポートフォリオの作成、保険の評価、税金計算、貯蓄口座や投資口座の管理、年金や401(k)などの退職プランが使用されます。 ■コーポレート・ファイナンスとパーソナル・ファイナンスの比較 主体: コーポレート・ファイナンスは企業やビジネスに焦点を当て、主体は法人です。一方、パーソナル・ファイナンスは個人や家計に焦点を当て、主体は個人です。 目的: コーポレート・ファイナンスは企業の経済的な目標を追求し、ビジネスの成功と成長に関連しています。パーソナル・ファイナンスは個人の財政的な目標や経済的な安定を追求します。 ツール: 資金調達手段としては、コーポレート・ファイナンスには銀行融資、株式発行、債券発行などさまざまな方法があり、規模も大きいのに対し、パーソナル・ファイナンスにおける資金調達手段は住宅ローンなどの個人ローンに限られ、規模もコーポレート・ファイナンスに比べ小さいのが特徴です。 ただし、パーソナル・ファイナンスにおける資産運用方法は多彩で、銀行預金、株式投資、外貨投資、債券投資などがあり、工夫の余地が大きいといえるでしょう。 コーポレート・ファイナンスとパーソナル・ファイナンスは異なるスケールと目的で活動するため、使用されるツールとアプローチに違いがあります。 コーポレート・ファイナンスは企業の利益と価値を最大化し、パーソナル・ファイナンスは個人の経済的な安定を追求します。