高山郁夫が明かす「二軍ではいいのに、一軍に呼ばれない投手の特徴」とは?
高山郁夫の若者を輝かせる対話式コーチング~第5回 オリックスのリーグ3連覇を陰で支えた投手コーチ・高山郁夫さんに指導論を聞くシリーズ「若者を輝かせるための対話式コーチング」の第5回。今回はソフトバンクコーチ時代の体験をとおして、「二軍投手コーチ」の仕事について語ってもらった。 【写真】オリックス・バファローズ「BsGravity」全メンバー(14人)京セラドームで撮り下ろし! 【二軍は3つの層に分かれている】 ── 高山さんは2006年に秋山幸二さんの誘いを受けて、ソフトバンクの二軍投手コーチに就任しました。当時のホークスは高山さんの目にどう映りましたか? 高山 私は選手として1995年と1996年にダイエー(当時)に在籍していたので、10年ぶりにチームに戻ってきました。でも、選手時代とはチームの雰囲気がまるで変わっていて、「勝てる集団になっているな」と感じました。 ── 1995年はリーグ5位、1996年はリーグ最下位と苦しいチーム状況でした。当時も王監督でしたが、雰囲気は違うのですか? 高山 私の現役時代から、王監督は「この世界は勝つことがすべてだ」と選手の意識を変えることにエネルギーを使っておられました。王監督も、二軍監督の秋山も強烈な負けず嫌いですから。「日本一を目指すのではなく、獲るんだ」と口を酸っぱくしておっしゃっていました。その勝利にこだわる考えが、チーム内に浸透していると感じました。 ── 高山さんは二軍投手コーチとして入団しています。二軍コーチはどのような仕事をするのでしょうか。 高山 まずは選手を知ることから始めました。二軍の選手は3つの層に分かれています。すぐに一軍選手と入れ替えられるレベルの選手、中堅どころの選手、体づくりに力を入れたい若手選手。選手たちが現状でどの層にいるのか、データを参考にしながら、秋季キャンプや春季キャンプで観察していました。 ── それでは、いきなり技術指導に入ることはないのですか? 高山 ないです。私は知らないものを知ったような顔をして言うのが大嫌いなので(笑)。選手とコミュニケーションをとりながら、彼らの長所と短所を把握していました。