杉浦悠太、蟬川泰果、松山茉生の成長力は規格外! 10年で350人余りのトップジュニアに会った武市悦宏プロが“いい意味”で想像を超えた3選手たちの当時を振り返る
“B1王子”こと蟬川泰果プロ(取材2015年・当時中学3年)
次に思い浮かんだのは「蟬川泰果プロ」です。第一印象は体の線は細いけどシンプルな体の回転で振って、ぶっちゃけ言って、まあまあ飛ぶな~くらいでした、すみません(汗)。当時は、のちに渋野日向子プロをメジャーチャンプにした青木翔コーチの指導で、なんと4スタンス理論を取り入れたレッスンを受けていたのが印象に残っています。泰果くんはB1タイプということで、その場で足を踏ん張りその場で回転するタイプ。左足の外側に衝立を置いて当たらないように練習していました。 4スタンス理論は自分に合った動きで無理な体の使い方をせずに教えていくので、当時からとにかく気持ちよく振ってる感じはしましたが、まさか今のような肉体になってパワフルに振ってブッ叩いて飛ばすなんて当時は予想だにしていませんでした……。でね、なんで今の活躍を予想できなかったっていう言い訳をさせてもらうと、取材のときパッティングを見ていなかったんだわ。2年前くらいに青木コーチに会ったとき「泰果は小学生のときからパターは天才的に上手かったです、知らなかったんですか?」って言うんだもん、そんなのいまさら言うなよ~。もう一度いいますが、パターのことを知ってたら当然、今の活躍は予想できてました(笑)。 ●「当時から飛距離は出てたけどパターがこんなに上手いとは知らなかった……」(武市) 取材当時は体の線が細いわりには、クラブを速く振る能力が高くて飛ぶイメージが強く、そっちにしか目がいかなかったので、パットがこれほどまでに上手いとは全く気付きませんでした(失礼!)
“衝撃王子”こと松山茉生くん(取材2022年・当時中学2年)
最後は今年の日本アマチュア選手権を史上最年少の15歳344日で優勝した高校1年生の「松山茉生くん」だね。てか成長スピード速すぎでしょ(笑)。2年前の中学2年の夏休みに取材させてもらったんだけど、たしかに中学2年生だったけどいままで取材した選手のなかで一番飛距離が出ていたのは事実でした。スウィング的にはまだ粗削りな部分もあったけど、こんなに早く結果が出るなんて誰が予想できるの(笑)。 でも、当時いいな~って思うことがあって、それはお父さんが教えていたみたいなんだけど、オーバースウィングでいわゆるちょっと変則気味に見えるスウィングといえばスウィングだったんだわね。でも、お父さんは「思い切り振りなさい」と指導してたのを聞いて、メチャクチャいい教え方だな~っていうのがものすごく記憶に残ってます。実はお父さん、クラチャンになったことがあるほどゴルフが上手な人だって取材後に聞いて、ゴルフ分かってる人が教えるとスウィングの細かいことより、まずは中学生だから大きなところを見てアドバイスするよな~って思い、ものすごく関心しました。 ちなみに、あまりにインパクトが強いから、取材中に自動ティーアップ機が壊れて修理する事態になりました、これホントに(笑)。まだまだ高校1年生だし、背も180センチ以上で体も大きいから、これからの伸びシロは計り知れないものがある。心・技・体っていうけど、精神面や技術面はレベルアップできても、体の大きさだけはどうしようもできない。そういう面でも期待ができるけど、結果出るの早すぎだろ(笑)。将来は松山英樹選手を超えるような活躍を期待したいね! ●「出会ったジュニアのなかで一番飛ぶけど結果出るの早すぎだろッ(笑)」(武市) 粗削りだけど豪快なスウィングに伸びシロを感じてものの、まさかこんなに早く結果が出るとは。きっとショートゲームもたくさん練習したんだろうな~。
最後に3人に共通するのは素直で真面目なこと。でもボクは、少々生意気な子も好きだけどね(笑)。
週刊ゴルフダイジェスト