米の食味ランキング分析 「特A」は43に増 高温耐性品種が躍進 猛暑で”西高東低”
日本穀物検定協会(穀検)は29日、2023年産米の食味ランキングを発表した。対象の144産地品種のうち、最高位の「特A」に格付けされたのは43で前年より3増えた。猛暑の影響を受ける中、「きぬむすめ」など高温耐性品種が躍進。東日本の日本海側産地では苦戦が見られた。 【一覧表】対象の全産地品種の結果 ランキングは今回53回目で、対象の産地品種数は前年より8減の144。産地による品種の絞り込みや、猛暑下での品質不安から出品を見送るケースもあった。 初めて特Aを獲得したのは4産地品種で、青森「はれわたり」、秋田「サキホコレ」、静岡の東部、西部の「きぬむすめ」となった。いずれも高温耐性を備えている。 品種別に見ると、特Aに格付けされた43の産地品種のうち、5割強を高温耐性品種が占めた。
ランキングでは、東海を含む西日本の産地品種が評価を高めた。猛暑や少雨の影響を強く受けた日本海側を中心とする東日本で苦戦が目立ち、評価は“西高東低”となった。 前年のAから今回、特Aに格上げされたのは12産地品種。そのうち、8産地品種が関西や九州をはじめとする西日本の米だった。 一方、前年の特Aから格下げされた13の産地品種では、甲信越を含む東日本が9を占めた。「ひとめぼれ」や「コシヒカリ」が格下げされた他、「つや姫」や「雪若丸」など高温耐性を持つ一部産地品種でも評価が下がっており、“災害級”とも呼ばれる昨夏の猛暑が大きく影響した。
<ことば>米の食味ランキング
日本穀物検定協会が1971年産から開始。89年から特Aを設けた。産地品種ごとに「特A」「A」「A´」「B」「B´」の5段階で格付けする。複数産地の「コシヒカリ」のブレンド米を基準に外観、香り、味、粘り、硬さ、総合評価の6項目で評価する。
日本農業新聞