普通の玉ねぎより傷みやすい〈新玉ねぎ〉ひと工夫で長持ちする賢い保存方法とは?管理栄養士が解説
新玉ねぎは、みずみずしくて甘みが強く辛味が少ないため、生で食べてもおいしいですが、いつもの玉ねぎに比べると傷みやすく貯蔵がきかないのが気になりますよね。 新玉ねぎもいつもの玉ねぎと同じ保存方法でよいのでしょうか。 ◆写真で詳しいやり方を見る→〈新玉ねぎ〉ひと工夫で長持ちする賢い保存方法とは? ■新玉ねぎといつもの玉ねぎの違いって? 玉ねぎは、血流促進作用をもつとされるポリフェノール類のケルセチンや、ビタミンB1の吸収率を高める働きのある硫化アリルを多く含みます。玉ねぎの栄養成分は熱に弱く水に溶ける性質のあるものも多く、生でおいしく食べられる新玉ねぎは重宝します。春先に出回る新玉ねぎは、一般的な茶色っぽい皮をした黄たまねぎの早採りのもの。ネットやかごなどに入れて風通しの良い冷暗所に保存できるいつもの玉ねぎと、保存方法にも違いがあります。 ■新玉ねぎは傷みやすい? 新玉ねぎは、瑞々しさを保つために、出荷前の乾燥期間が短くなっています。そのため、水分を多く含んでいる分、傷みやすく、長期保存に不向きなのです。通年の玉ねぎと同様に常温で保存していると、あっというまに傷みがすすんでしまいます。特に傷があるところから傷みやすいため、表面の傷がないか、やわらかくなっている場所がないかチェックし、気になるところがあれば早めに使うようにしましょう。 ■新玉ねぎのかしこい保存方法 ■■まるごと編 1個ずつキッチンペーパーや新聞紙で包み、ポリ袋に入れて冷蔵庫の野菜室へ。保管期間は1週間ほどですが、早く食べきるのがおすすめです。皮が湿ってくれば時々水分をふき取るようにしましょう。 ■■使いかけ編 皮をむいて半分にカットするなどつかいかけで保存したい場合は、水気をふきとってから、しっかりラップで包み、密閉できる袋や容器に入れて冷蔵庫で保存。2~3日以内には使い切りましょう。 ■■冷凍編 長めに保存したいときは冷凍保存が最適です。輪切りやスライスなど使いやすい形にカットし、生のまま冷凍用保存袋に入れます。薄く平らにならし、できるだけ空気を抜いて袋の口を閉じ、冷凍庫へ。使うときは、自然解凍で生のまま食べられますが、食感も変化するため、冷凍したまま加熱調理で使うのがおすすめです。 ■■あめ色玉ねぎ編 スライスやみじん切りにした玉ねぎをあめ色になるまでじっくりと炒めたものも冷凍できます。冷ましてから1食分ずつラップに包んで小分けにして、冷凍用保存袋に入れて保存します。冷凍したまま加熱して調理しましょう。 新玉ねぎの上手な保存のコツをご紹介しました。新玉ねぎのおいしさは生で発揮するといっても過言ではないため、できるだけ早めに食べきりたいものですが、冷凍保存も上手に活用して、新玉ねぎの旬のおいしさを味わってくださいね。 参考文献: 「やさい」(幻冬舎) 「野菜のパワーまるごと健康レシピ」(NHK出版) 「旬の野菜の栄養事典」(X-Knowledge) 「食材図典Ⅲ」(小学館) 「からだによく効く食べ物大事典」(池田書店) 「野菜まるごと事典」(成美堂出版) ライター/大槻万須美 管理栄養士・フードスタイリスト・腸内ケアフードアドバイザー。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。 Instagram:@tsukiko_shoku_mind 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)