竹内涼真&賀来賢人が語る“作品と観客”の関係値 ブーイングは「ある意味でフェア」
■ブーイングが起きるのは、ある意味でフェア
――先ほど「サンディエゴ・コミコン」の話が出ましたが、改めて参加してみた感想を教えてください。 竹内:現地の方々が熱量高く迎えてくださったのが、とてもうれしかったです。あの光景を見て、「龍が如く」の新しい形を作るという今回の企画に参加してよかったなと思いました。同時に、監督をはじめとする製作スタッフの方々を信じて、現場で頑張ってきたことが報われた気もしたんです。まずは一つ目のハードルを越えて、受け入れてもらったと感じました。 ――お客さんたちの実際の反響を見て、ホッとした部分があった。 竹内:はい。ブーイングが起きることもあるらしいので…。そんな残酷なこともあるのかと思いますが、皆さんお金を払って参加している訳ですし、何時間も並んで来ているわけですから。 賀来:ある意味でフェアですよね。お金を払っている人たちは、遠慮なく作品を評価しているという感じで。でも、それぐらいシビアに評価してもらった方がいい気もしています。 ――もちろん誹謗中傷はよくないですし、評価は人それぞれだけれど、中には厳しい意見があってもいいというか。 竹内:評価していただけたら、“いいものはいい”、“よくないものはよくない”という答えを一つ見つけられる気がします。いい評価をしてもらえたときは、やりがいをより感じられそうですし。本作はイベントに来ていただいた方々に拍手を送ってもらえたので、本当によかったです。
■お互いが発信するものを拾って反応できた
――芝居をかけ合うなかで感じたお互いの印象はどうでしたか? 竹内:言葉で説明しなくても、お互いが発信するものを拾って反応できたと、僕は感じていました。賀来くんとは「こういうアプローチがいいよね」といった、空間上にある感覚的なものを共有し合ってお芝居できた気がします。お芝居への向き合い方、本気の方向性が一緒だと感じられたのが、すごくうれしかったです。 賀来:どういう人なのかというイメージもないぐらい初対面だったのですが、実際に会ってみたら、すごく好青年で真面目でした。何より役や作品をすごく楽しんでいるのが伝わってきて、支えたくなったんです。この人を輝かせるために、僕はどう錦山彰という人物を演じて関係性を作っていけばいいのかなと思わされる、役者としていい素質を持っている方だと感じました。吸引力のある役者さんです。 竹内:ありがとうございます。賀来くんは、声をかけてくれるタイミングが絶妙なんですよ。現場で何度も助けていただきました。広く客観的に現場を見ていらっしゃる方なんだと思います。あれは、計算して声をかけてくれていたんですか? 賀来:いやいや、まさか(笑)。先ほど言った支えたくなる人って、人として備わっている何かがあると思うんです。いくら技術がすごくても、人としての魅力がなければ「俺も一緒にやってやるよ」と思わないですから。竹内くんは声をかけたくなる、支えたくなる何かを持っている役者だと感じています。 ――最後に、作品を楽しみにしている読者へメッセージをお願いします。 竹内:『龍が如く ~Beyond the Game~』は素晴らしい原作から着想を得て、僕らが新しく作った作品です。何も考えずに1話を見ていただいたら、あっという間に6話まで見終わってしまうんじゃないか…それぐらいの自信があります。スタッフとキャスト全員で力を合わせて作った作品なので、ぜひ見てください。 賀来:「龍が如く」のエッセンスや核みたいなものを確実に持って、僕たちは命をかけて作りました。物語のテーマはすごく普遍的なものだと感じています。原作ファンの方も、ゲームをプレイしたことがない方も楽しめる作品になっているので、ぜひ幅広い層の方に見ていただけたらうれしいです。 (取材・文:M.TOKU 写真:上野留加) Amazon Originalドラマ『龍が如く ~Beyond the Game~』(英題:『Like a Dragon: Yakuza』/全6話)は、Prime Videoにて10月25日より世界独占配信。