吉野せい賞表彰式 入賞者たたえる 正賞に沢葦樹さん 福島県いわき市
優れた文学作品を懸賞する第47回吉野せい賞の表彰式は2日、福島県いわき市立草野心平記念文学館で行われ、3年ぶりに正賞(吉野せい賞)に選ばれた沢葦樹さんら入賞者をたたえた。併せて吉野せい賞募集ポスターの表彰式も行われた。 鈴木英司吉野せい賞運営委員会委員長が「受賞者はさらに研さんを重ねてステップアップしてください。いわき市から第2、第3の吉野せいが出てきてほしい」とあいさつ。吉田隆治選考委員が選考経過を報告し、沢さんの正賞受賞作の小説「カノープスを見ていた少年たち」について「星のカノープスに魅せられた人間の世界を描き、新鮮で壮大。ここまで物語を紡いだ想像力と構想力がすごい」と選評した。 鈴木委員長が正賞の沢さん、準賞(小説)の一橋清高さん、奨励賞(小説)の伊藤晴美さんと松井高史さんにそれぞれ賞状を手渡した。沢さんが「吉野せい賞への応募は今回が最後。今後は違うステージで頑張りたい」とあいさつした。
吉野せい賞募集ポスターの表彰式では、最優秀賞の細谷菜友さん(平二中2年)、優秀賞の藁谷唯花さん(磐城学芸専門学校1年)と松本菜花さん(いわき総合高1年)をたたえた。 表彰式に続き、いわき市小名浜の漁船第58寿和(すわ)丸の沈没事故を題材にした書籍「黒い海 船は突然、深海へ消えた」の著者でジャーナリスト・ノンフィクション作家の伊沢理江さんが「記録を残す、記憶に刻む~いわきの漁船沈没事故取材を通して見えたもの~」と題して講演した。 (いわき版)